第14話

文字数 648文字

「は?」
この人が・・・河田さん?どういうこと?
「こいつ軍人かもなって思ったんだろ。あの時だよ。T橋で金くれた時」
「・・・」
「なぁ嬢ちゃん。こいつ妙に声出さねえだろ?さっきこいつさぁ俺に腕曲げられたとき、最小限の声に抑えてたろ。そういうことだよ。声でばれちまうからだろ?おい違うか?」
「・・・あぁそうだよ。だが君たちが亡くなれば関係ないね」
そうだ。これで辻褄が合う。そもそも自分がゲームマスターだから、ゲームに勝つ必要もなかったんだ。あと、処刑の映像で河田さんの、左右で目の光の色が違かった説明がつく。あれはディープフェイクだったんだ。ディープフェイクの際、目の光の色が左右で変化するから。でも、なんで、こんなこと、したんだ?今の状態で聞くことは困難だが。
「・・・」
片腕の男も何か手があるわけではなさそうだ。もう、この状況だと、誰か助けが来ない限りどうしようもない。あの人が来てくれれば・・・。そう思った瞬間、私たち側の扉が開いて・・・
「・・・」
「「「え・・・お前誰?」」」
なんか、知らない太った人が入ってきた。

 「えっと・・・早川さんの取り巻きの石田です」
「いや、ほんとに誰だよ」
隻腕の男が言う。
「あのーすみません。ちょっと伝えることがありまして」
「すぐに終わらせろ」
河田さんが言う。
「えっと、後ろに気をつけろ、とのことです」
石田さんが言う。・・・え?その瞬間私の首にかかっていた腕が外れた。後ろを振り返るとそこには倒れた河田さんと立っている正義さんがいた。
「待たせたな」
「正義さん!」
「・・・」

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み