第2話

文字数 1,894文字

っとまぁ、出来ることと言えば、保土ヶ谷が消えるまでの流れを思い出すことだな

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俺と保土ヶ谷は、いつもの場所にむかっていた。その場所はT橋だ。T橋は駅から居酒屋までの道を進んで、踏切を通った左にある。ここ含めその橋は東京に位置するのだが、焼畑農業でも起きそうなぐらいに周辺は、緑に恵まれている。それは、住民にも出ている。



市がほとんど意味をなさないような、ただ余った金を浪費してなんかしなきゃな精神で短い道路を作る計画があった。それにあたって、緑が失われる事から署名活動が行われていた。



てかそいつらそれ以前に、意味のない余生・・・違うな。害しかうまない老後で、失うことしかないてめぇの脳細胞の心配しろよ。悪臭散布排泄物噴射マシーンの老害どもが。時刻は午前10時6分。空は小学生が描いたように、当たり障りがない。



そしてサツみてぇに、俺の横を歩くのが保土ヶ谷だ。よく見ると、綺麗な面してる。まぁ、そんぐらいしか、こいつには取柄ないがな。



「?」

ガン見しすぎたせいか、奴がこっちを見る。特にどうこうまくしたてる必要はないから、すぐに、奴から目をそらす。・・・この状況の事を、一般的には気まずいというのだろう。

「何か考えごとですか?」

たまには、正直なコミュニケーションもとろうか。ある意味、カルトばりに嘘ついてる俺が正直になりだしたら、これもある種の嘘だな。

「この状況は客観的に見て、気まずいと分析してたんだよ。」

「もうそこまで冷静に分析できてたら、気まずくないと思います」

「ああ。つまり理解はできるが、共感はできねぇってこと。こういう奴らを俺含め、一般的にサイコパスと安売りされる。テロリストの命くらい安い。」

「テロリストだと命は安くなるんですか?」

「お前らの道徳だとか倫理に準ずる主観における命の価値じゃねぇ。テロリスト本人にとっての命って意味だ。その、すぐに反射的にクソみてぇな返答するのはお前の能力だな。そうやって観点の切り替えをせず狭まった視野で脳を腐らせるのは老いを進行させ早死にRTAを加速させてさっさとヘブンズゲート直行するのはゆういつでもあった取柄の外面さえも黄ばんで見るに堪えない国会議員n

「あ、そういえば」

「・・・」

さすがに遮られたな。

「心理テストやってみますか?」

急。

「どうぞお構いなく」

「では、あなたは草原にいます。その草原からあなたはいくつ、四葉のクローバーを見つけることができたでしょう」

「0」

「・・・」

保土ヶ谷は一瞬驚いた後、爆笑しはじめた。

「その数が、あなたを好きだと思っている、人の数です(笑)」

よし。絶対いつかこいつの爪と皮膚の間に針差し込んでやる。あぁそうだ。こっちも心理テストだすか。

「俺も心理テストだすわ。えーっと・・・」

「絶対ろくな質問しないと思いますが」

「じゃ、俺にどんな色連想する?」

「黒です」

「その逆は?」

「白」

「逆の色として白を連想した人は・・・あなたが好きな人です」

もちろんこんな心理テスト存在すんのか知らんし、説得力持たせるために誘導尋問してやった。

「へ、へー。そうなんですね」

動揺が保土ヶ谷から見られる。よし、喰らえ。

「まぁ全部俺の思いつきですけど。今の心理テストって痛っ!」

無言で蹴ってきやがったこいつ。思ったより効いてんなぁ。

「はぁ・・・俺は仲間に嘘はつけないとか、どうとか言ってませんでした?」

「ウィットに富んだジョークは例外だ。もちろん、俺の発する言葉すべてがウィットに富んでるけどな。これに例外はない」

「そうだといいですね。あ、私コンビニ寄りますけど正義さんも寄りますか?」

「いや」

お前がパシられんのが当たり前だろ。自分で行くわけねぇ。あと、だんだんお前俺に対する態度横柄になってね。

「じゃあ」

と言って保土ヶ谷はコンビニに行った。俺はその場でつったってることにした。



 それであいつがしばらく戻ってこず、自分で探した後、近くの人間に聞き込みしたが見つからなかった。そして今に至る。恐らくあいつが、この状況を作るメリットはない。つまり事故ったか、他人に巻き込まれている線でいいだろ。



尚且つ、たかがコンビニ行ってきて帰ってくるのになんの音沙汰なしに事故る可能性は低い。俺たちの普段の行いから鑑みて、憶測だが怨恨によってなんかに巻き込まれているのかもしれない。とにかくむやみに探してもしょうがない。



人手は多いほうがいい。それに情報も必要だ。なるべく近い位置のいる知り合いから声をかけよう。そして俺はT橋の隻腕野郎のとこに向かった。

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