花の明け

文字数 229文字

明けてゆく空 歌う鳥
微風が花々を静かに揺らし
色彩の世界が目覚める

露に濡れた指先で
かよわい花を手折れば
朝に甘やかな香りが広がって

私は花束を作る
今日の日の誰かの為に
遠い明日の貴方の為に

陽光が全てを満たす頃
苔の寝床から起き上がるのは
世界を構造する精霊達か

土で眠っていた種も
芽吹き 起き上がって
木となり 花となり 草となり

祝福は紡がれてゆく
生まれてくる生命に
旅立つ生命に

腕の中で花束を抱き締める
太陽に照らされるままに
微風に吹かれるままに

始まる一日
此処で私は生きてゆく
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