雨傘ひとつ

文字数 307文字

草木や花々 喜ぶ雨降り
天の恵みよ 降れや降れ

紫陽花の絵の雨傘ひとつ
傘立てに佇み出番待ち

天地を繋ぐ雨粒達は
全てを潤しやがて去る
天へ昇りて還りゆく

紫陽花の絵の雨傘ひとつ
雨に濡れては喜び輝く

想いを繋ぐ雨粒達よ
届けておくれこの心
今は遥か遠き人へ

草木や花々 喜ぶ雨降り
天の恵みよ 降れや降れ

紫陽花の絵の雨傘ひとつ
今は何ぞを夢に見る

雨雲去りゆく春の夕
雨粒達も天の果て
再び逢う時神のみぞ知る

繋ぎ繋いで降り注ぎ
生命を潤し育てては
巡らせ廻す雨降りよ

時には生命を押し流し
水にて摘み取る雨降りよ

紫陽花の絵の雨傘ひとつ
人にはそれが精一杯
大きな流れを前にして
雨傘ひとつを手に握り
雨の最中を共に行く

紫陽花の絵の雨傘ひとつ
紫陽花の絵の雨傘ひとつ



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み