お祭り
文字数 350文字
浴衣を纏い 紅をさし
賑わう通りを歩きゆく
色とりどりの出店達
色とりどりの人間達
色彩豊かな夜の町に
りんご飴齧る私はひとり
(あ 懐かしいお面が並んで)
(久し振りに被ってみようか)
(あの狐にしよう)
そのうち右手に
気まぐれに掬った金魚が二匹
小さな身体で袋の中を泳ぐ
真紅のひらひらが美しい
もひとつ右手に水風船
こんどは左手に何持とう
きらきら輝くお祭りに
心も灯火燈りゆく
夜空に響く祭囃子
天の遠くの神様達に
音色を届けて呼んでいる
(こんなに賑やかなお祭りです)
(どうかお越し下さいませ と)
(私も 呼んでみましょうか)
(けれどもすでに居るかも知れない)
(こんなに賑やかなお祭りだもの)
(一柱居たって きっと分からない)
浴衣を纏い 紅をさし
騒がしい通りに笑み溢す
『ああ 何百年と変わらぬお祭り』
(ほら 誰も気付きはしない)
賑わう通りを歩きゆく
色とりどりの出店達
色とりどりの人間達
色彩豊かな夜の町に
りんご飴齧る私はひとり
(あ 懐かしいお面が並んで)
(久し振りに被ってみようか)
(あの狐にしよう)
そのうち右手に
気まぐれに掬った金魚が二匹
小さな身体で袋の中を泳ぐ
真紅のひらひらが美しい
もひとつ右手に水風船
こんどは左手に何持とう
きらきら輝くお祭りに
心も灯火燈りゆく
夜空に響く祭囃子
天の遠くの神様達に
音色を届けて呼んでいる
(こんなに賑やかなお祭りです)
(どうかお越し下さいませ と)
(私も 呼んでみましょうか)
(けれどもすでに居るかも知れない)
(こんなに賑やかなお祭りだもの)
(一柱居たって きっと分からない)
浴衣を纏い 紅をさし
騒がしい通りに笑み溢す
『ああ 何百年と変わらぬお祭り』
(ほら 誰も気付きはしない)