カムパネルラ

遠くの国へ引っ越した友達が居た

それなりに仲が良く
ずっと一緒だと思っていて
幸せだった子供時代の僅かな時間

けれど別れは突然に
銀河の向こうからお迎えが来てしまった
星々の呼び声に
私達は抗えなかった

遠く　遠くの国へ行く友達
涙が一粒　また一粒
またいつか会えるよ
そんな声さえ希望にはならず

ああ　きっともう会えないのだと
これで本当にお別れなのだと
心の何処かで理解していた

けれど一緒に居た毎日は消せない
ほんのひととき　友達であった事も
銀河を隔てても　忘れない限り
君の名前はずっと覚えている

抱き締めあった身体を離し
手を振って見送った

あの日からもう何十年経ったか
小さな私はそれなりに大きくなり
やはり会えないままに過ごしている

今　君は何処に居るだろうか
今　私は此処に居るけれども
二人が過ごした地は既に遠く
日々を重ねては更に遠くなっていく

今　君は何処に居るだろうか

カムパネルラ