青い靴

大地を踏みしめ　人生を進む
歩いているのは道か　時か
気が付くと　遠い遠い場所に居た

響き渡るベルの音
幸せそうに歌を歌う
眩い光の中で舞い踊る
夢の終わりまであと

大きくなってゆく足
青いスニーカーを履くと
何処までも駆けてゆける
そんな気持ちになれて

けれどもどんどんすり減って
やがてはまた新しい靴を買う
何度繰り返しただろう
どれくらいの靴を履き潰したか

夢の終わりまであと
夢を終えるまであと
まだまだ私は生きている
狭まる世界と褪せる現実
それでも天は美しい
それでも花は美しい

靴の色も変わり変わってまた戻り
今日も青色を履いている
特に何とも無いのだけれど
綺麗なものが好きだから
天に似た色を履いている
ただそれだけなのだけれど
美しい色彩が好きだから

白い雲に足跡を残しながら
何処まででも進んでいけそうで

響き渡るベルの音
幸せそうに歌を歌う
眩い光の中で舞い踊る
夢の終わりまであと

遠い遠い場所の果てまであと

どれくらいの靴を履き潰すか
それを知るのはいつの日か
知らず知らずに生きている

けれどもこれだけは分かる
靴が履けなくなった時
私は笑っているだろう
夢の終わりに辿り着き
私は笑って閉じるだろう
そして同じ青色に還って
私は笑って消えるだろう