浄火

文字数 310文字

ぱち ぱちり と
炎が爆ぜては 火の粉が舞い
風を紅く染めて天に還す

綴られた願い 想い 祈り
それら全てが燃えて昇る
無事に神々のもとへ辿り着くように

旅立ちの後に遺った灰は
また土に抱かれ輪廻に戻り
新たな何かを宿すのだろう

炎は天に恋をするから
託された心を届けゆく
煙は白くに 上へ 上へ 上へ
文字達を連れて

火と火が手を取り
炎となりて燃えてゆく
踊るように燃えてゆく
眩く優しい 熱い光を帯びながら
なんと美しい様だろう

火はかつて神々のものだった と
語り伝えられる神話を遠くに
人々は火の恩恵に全てを預けて
紅い生命の息吹へ全てを委ねた

ぱち ぱち ぱちり
燃えてゆく 燃えてゆく
音の鳴る方へ
遥か高い天へ
いつか何もかもが眠りにつくまで
炎は運び続ける
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