水槽
文字数 358文字
海を切り取って入れた箱
川を切り取って入れた箱
魚達の小さな世界
剥き出しの生命維持装置たち
何かが作った食事も降り
あらゆる飢餓と苦痛から切り離された
まるで夢の中のような
小さな身体で
飾られた箱庭を泳ぐの
全てが揃ってあって
全てが守られていて
びろうどのように美しく
此処は透明な楽園
天の国にわたしは居るの
幸福も愛も希望も夢も
静寂の中に響く機械の音の中
大好きな硝子に閉じ込められた
天使の白い羽は泡となり
優しく生命を繋いでゆく
光に満ちる視界
無垢な瞳で覗く巨人よ
どうか名前を呼んで
この生命にそれがあるならば
けれどあなたは与えるばかりで
わたしは名前が分からないまま
ずっと此処に居るの
天の国にわたしは居るの
恋をしたって 愛したって
ずっと此処に居るの
出られないままに
魂が旅立つ別れの日まで
地の国を生きるあなたを眺めて
(天の国にわたしは居るの)
川を切り取って入れた箱
魚達の小さな世界
剥き出しの生命維持装置たち
何かが作った食事も降り
あらゆる飢餓と苦痛から切り離された
まるで夢の中のような
小さな身体で
飾られた箱庭を泳ぐの
全てが揃ってあって
全てが守られていて
びろうどのように美しく
此処は透明な楽園
天の国にわたしは居るの
幸福も愛も希望も夢も
静寂の中に響く機械の音の中
大好きな硝子に閉じ込められた
天使の白い羽は泡となり
優しく生命を繋いでゆく
光に満ちる視界
無垢な瞳で覗く巨人よ
どうか名前を呼んで
この生命にそれがあるならば
けれどあなたは与えるばかりで
わたしは名前が分からないまま
ずっと此処に居るの
天の国にわたしは居るの
恋をしたって 愛したって
ずっと此処に居るの
出られないままに
魂が旅立つ別れの日まで
地の国を生きるあなたを眺めて
(天の国にわたしは居るの)