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文字数 720文字

 だが、その計画を聞いてかなり後悔した。
この計画は無謀を通り越して自殺行為だった。まあ後は親父の仲間を信じるしかないのだが。
 最新鋭戦闘機と世界平和。
そんなにも恐ろしい兵器なのだろうか?
俺が最初に浮かんだ疑問だった。
 大量殺戮兵器を奪えなら、まだ分かるが。
数で戦う戦闘機がどれ程のものだと言うのだ。俺の疑問に答えた親父の話によると。
 こいつは、とんでもない兵器だった。

 この戦闘機は、名前こそ戦闘機だが。
新機軸、新発明のオンパレードの代物だった。
だから空軍海軍関係なく、全く新しいシリアルナンバーが与えられた。
 XXー01S、オーバーバード。
その戦闘機に搭載された新発明。
それは重力エンジンだった。

 何と!遂に人類は、重力を制御出来る機械を発明したのだ。
これは画期的な事だった。
 そして、もう1つそれを制御する、人工知能を搭載しているのだ。まるでロボットだ。
人が乗る必要があるのだろうか?
そう正に、この戦闘機は殺人マシーンなのだ。
 現在使われている、如何なる兵器でも撃墜は不可能であろうとの事だった。
 
 但しそれは、無人攻撃機ならばである。
つまり人が乗っている限り、その機動力には、制限がある。尤も乗っているパイロットの死など、関係ないと人工知能が判断すれば、同じ事なのだが。
 俺は、そんな恐ろしいものを盗まなければならないのだ。

 作戦に先だって1つ問題があった。
それは俺が、戦闘機を操縦出来ないと言う事であった。えっ?と思われるだろう。
宇宙飛行士でしょ?とね。
確かに操縦訓練は受けたし。戦闘機も乗ったし操縦もした。
だがそれは、教官と同乗しての事で。
スペースシャトルを運転する訳でも無い俺が、戦闘機の操縦を完璧に出来る必要は、なかったのだ。
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