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「えっ?航続距離は?まさか無限じゃないよな」

「はい、いづれ落ちます。あはは、意外な弱点ですね」

こいつは、やはり自分の能力を自負している。困った、じゃじゃ馬だ。

「では、さっきから点ついている、燃料計の赤ランプは、本当の危険サインだったんだな?」

「そうです。ですがご安心を給油しますから」

「給油?!」

 空中給油か?だが、そんな事が出来る程、
仲間は組織力を持っているというのか?
それに、空中給油をしているところを狙われたら、ひとたまりもない。
仲間の犠牲と言うのも有り得る。ロシアをこけにしたのだ、唯で済むとは思えない。

 『さて、この辺ですかね』

 オーバーバードは突然、降りだした。
しかも機首を下げもせず、山の中へと。
拓けた所に給油トラックが待っていた。
オーバーバードは重力エンジンで、ゆっくりと側に着地した。俺は慌てた。
 最早、何でも有りなんだなと思った。

「す、済まない。垂直離着陸が出来るとは聞いてなかった。待て!じゃ、何故滑走路を使って離陸した?」

「セレモニーだからです。あまり驚かせると、警戒されますから他の国から。
と指示があったので。まあ、その後の作戦にも好都合でしたし」

 はっきりと認識した。これでは敵はいない。
燃料さえ続けば。

「ところで、重力エンジンのエネルギーは、
何だ?電気なんだろうが。どうやって賄う?
電池か?」

「いえ、ターボファンエンジンが発電しています。一言で言えばターボファンエンジンは、
APU(アシストパワーユニット)です。
補助エンジン、発電機です」

「成る程な。では、もっと簡単に出来たのではないのか?その機体もだ。矢鱈と大きく感じるが」

「ああ、それは色んな妥協案から。
こんな形状になりました。何だかんだ言っても人を乗せて戦いたいと思った様です。この機体は、キャプテン機です、司令船ですかね」

「司令船?では、無人のも有るのか?」

「それは、いずれ分かると思います。
私の勘が正しければ」

 勘?!コンピューターが勘?
人工知能とはいえ。
まったく、どんなプログラムを施したのだ。
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