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文字数 836文字

 俺の質問には答えず。
スーッ!と、オーバーバードは飛び立った。
そして、あっという間に見えなくなった。
 空では爆発の光がいくつか見えて、巨大なビームが何度か降り注いだ。
俺は呆然と見るしかなかった。
何処かに、機体の破片が落ちて爆発した。
小さな物だオーバーバードではないと信じた。
 すると、1時間もすると空が静かになった。
終わったのだな・・・。
こんなの戦争じゃ無い、唯のゲームだ。
俺は何故か腹が立ってきた。

 そして、自分が時代遅れの人間になった気分だった。その感傷を打ち破る様にヘリコプターが何機も俺の回りを周回しだした。
何処の国のヘリコプターかは分からないが。
武装していた。俺は手を挙げて、反抗の意思が無い事を示した。

 ✳ ✳ ✳ ✳

 それから俺は何故かの、多分スイスかその辺りの基地から、アメリカへと護送され。
 アメリカの国土安全保障省の厳しい取り調べを受けた。だが3日目だったか、突然取り調べは終わり。日本に帰る事を許された。
意味が分からなかった。
 日本に帰ると、マスコミに取り囲まれるかと思ったら。警察の公安が迎えに来ていて、警察で事情を聞かれた。
 だが特に、何かの容疑で逮捕する気はなく。
2時間程、事情を聞くと家へと帰された。

 家に帰ると庭が荒れていた。弟子たちが庭の片付けに追われていた。
 どうやら、特殊部隊が大挙して家に突入したようだ。窓ガラスも何枚か割られていた。親父と7人の弟子達も、取り調べを受けた様だ。
逮捕されたのだろう。
俺は軽く彼らに手を振って、家へと入った。
家も物凄い有り様だった。

 お袋が雑巾がけをしていた。土足で家中を、かき回された様だ。
お嬢様育ちのお袋は泣いているかと思えば。
俺に気が付くと、雑巾がけから顔を上げて。
ニッコリ笑うと、

「お帰り。私達もさっき帰ったところよ。
後で出前でも取るわね。お腹すいてない?」

とえらく穏やかに言った。
 無理してるな・・・。
俺は親父に腹が立ってきた。

「大丈夫、まだ空いてないよ」

そう言うと、親父の部屋へと向かった。
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