第7話

文字数 607文字

12月23日、明日から冬休み。
その日に担任の先生が学校終わりに高校の見学に連れて行ってくれると言った。
「夜間高校ならバイトもしながら学校も通えるでしょ、連絡とってみたら見学いいですよって言われたからさ、私が連れてくから行こう。」
そんなことを言ってくれた先生の好意に甘えて見学に行くことにした、給食を食べて保健室のベットで3時間眠った。

起きる頃には生徒たちが掃除をする時間のようで、あちらこちらで清掃中の生徒たちの声が聞こえる。
(このタイミングで出て行ってもめんどうくさそうだなぁ。)
起きはしたがベットから出るのはやめて、布団を被りなおした。

生徒たちの声を聞くたびに私と皆の何が違うのかを考えてしまう、私はなんで普通に教室に入って、同級生と雑談をして、勉強をして、部活をして、家に帰れば宿題をして、そんなことができないんだろう、高校生になれば変わるのか、変わらないのか、そもそも高校は私のような出席日数がほぼない、授業にほぼ出たこともないような人間を合格にしてくれるんだろうか。
(学校に行きたいのか、アルバイトしたいのか、私は何がしたいんだろう。)
もやもやとした気持ちで布団の中で考える、保健室の布団は毎日清潔な匂いがして心地いい、私の部屋の、プレハブの布団とは大違いだ、保健室のベットは、同級生からも家族からも、しがらみからも全部から私を守ってくれるような気持になる。
そんなことを考えながら時間が過ぎるのを待った。
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