第13話

文字数 773文字

学校には入試の書類作成や面接の練習のために登校していた、先生の空いた時間に書類を確認してもらって、給食を食べて、面接の練習をして帰るの繰り返しになっていた。
最近学校に居ることが多いせいか、たまに同級生に学校で声をかけられることもあった。
「おはよ~!りりこちゃん最近学校でよく見るね。」
「おはよう、高校に行くのに手続きあるから。」
「そっか、教室来ないの?待ってるよ。」
待ってるよ、と言われても私は同級生とあまり話したことがない、そもそもこの声をかけてくれている同級生は名前しか知らない、何も知らない人間を待って何になるのかと考えてしまうのは私の心が汚いからなのか。
「いく事があればよろしくね、じゃあ。」
「うん、ばいばーい!」

廊下を歩けば相変わらず私に視線を向けながら、他の女の子の耳に顔を近づけて何かを言っている集団もいる、視線はこっちに向いている状態の耳打ちで、いいことを想像できるほど私はポジティブではない、同級生たちに私の何を知っているのかと言ってやりたくなったこともあったが、同じように私は同級生たちの何も知らず、知りたいと思うこともなく、私が接点を持とうとしなければ、反応をしなければ何もないのだ、何を言われても私が何も感じなければ何もないのだ。
先生達を見ていてもそうだ、私に良くしてくれる先生もいれば、できるだけ関わりたくないと思っている先生もいて、説教してやろうと、見つけると意気込んでこちらに向かってくる先生もいる、人なんて考え方も価値観も別なはずなのに、自分の正しいが絶対に正義なのか、学校のルールと秩序を守らない私は害悪なんだろう、いらない人間なはずなのに、私に良く接してくれる先生がいることが気に入らないのかとも考えるが、どうせあと数ヶ月で私はこの場所に通わなくなるのだ、どうでもいいことだと全てを無視していればよかったのだ。
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