Be My Babyに捧ぐ

文字数 694文字



 ザ・ロネッツの『Be My Baby』。
 私が生まれる3年前に全米ナンバーワンに輝いた、アメリカの大衆文化が隆盛を誇っていた時代の大スタンダードナンバーだ。
 この音楽ほど、何時も自分の心を確かな光で照らしてくれるものはない。心が疲弊したなと自覚できたひとりの時間があったとしたなら、真っ先に寄り添いたいと想うのが、この楽曲だ。
 大スタンダードナンバーだけに、様々なアーティストがリスペクトを表し、例えばこの曲に感銘を受けたザ・ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンは、この曲へのアンサーソングとして、「Don't Worry Baby」を作り、ロネッツとプロデューサーのフィル・スペクターに捧げている。
 我が国日本では、今は亡きシーナさん(シーナ&ザ・ロケッツ)がロネッツの大ファンで、この曲を好んでカバーされていたステージでの姿を、何時も思い浮かべることができる。
 シーナさんが歌う「Be My Baby」には、この曲に対する確かな愛情と喜びが存在し、それが私には強く伝わってくれた。曲をカバーするということは、そこにいかに原曲に対する尊敬と愛情の裏付けの存在があるのかということが、表現者としてとても重要なことである。
 「Be My Baby」には、音楽への歓びがたくさん詰まっている。だから、聴くものも、そしてステージで披露するものも、皆を即時に幸せにしてくれるのだ。そのような力を持つ楽曲は、自分の目線からはとても希少な存在である。
 今日も、長距離ドライブの間に何度この曲を聴いたことだろう。
 ザ・ロネッツ。
 偉大な表現者との出会いに、永遠の感謝を捧げたい。
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