第97話多国籍茶店盛況、ピクニックの話

文字数 575文字

多国籍茶店は、連日、満席が続いている。
直人も、女子たちも、営業時間中は懸命に動くけれど、営業終了時には疲れて、椅子にペタンと座り込む状態。

サラ
「人を増やしたいなあと思うけど・・・」
田村涼子
「質は落とすべきではないしね、今の人数が動きやすいと思うよ」
マリー
「もう、目と目で、気持ちも通じるからかな」
カトリーヌ
「私は、質を落としたくない、この路線で行きたい」
香麗
「直人は、仕事は頑固なタイプ、職人気質と言うのかな」

「うん、マジに頑固、子供の頃は弱虫だったのに」
サラが茜の顏を見た。
「ねえ、直人とは、どんな関係だったの?」
(女子たちの注目が一斉に茜に集まった)

茜は、プッと笑った。
「可愛かったよ、信頼できるお友だちだよ」
「でも、すぐに泣くの」
「本とか音楽、テレビ、映画でも感動して、すぐに泣く」
田村涼子も笑った。
「うん、泣かせてみたい」

マリーは、直人を見た。
(直人は女子たちに押されて、窓の外を見ていた)
「ねえ、直人、お店の休みの日に、全員でピクニックしない?」
直人は目を丸くした。
「そういう階もあるの?」

カトリーヌが頷いた。
「あるよ、温室みたいになっていて、草原も作ってある」
香麗も続く。
「確か、40階の南西の一角・・・と言っても、かなり広い」
茜が直人をつついた。
「行くでしょ?」

直人は、笑った。
「うん」
(多勢に無勢、とても抗することなど出来なかった)
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