第5話 いいぞ!お姉ちゃん
文字数 2,003文字
お父さんは大きな紙袋を両手に持っていた。
それで、アカデミースクールのレッスン費用とかかからないんだから、その分、せっかく東京来たんだから、服買えって言われて買わされた…
で、オーディションで歌ったんだけど、審査員の人の誰なのか私には判らないけど、普通に合格でアカデミースクール入るんじゃなくて、なんかその場で私だけ特待生でうちに来てほしいって言われて、紙渡された。
本当は書類選考、一次選考、二次選考、最終選考って受かるたびに次の選考進めるらしいんだけど、私書類選考通ったから、今日は一次選考だったのに、オーディションもう終わっちゃった(笑)
この紙いろいろ記入して出せば、春からレッスン開始で通うんだってさ。
アカデミースクールの費用は特待生だから、かからないんだってさ。
入ってもいいよね?
少し化粧をして、服装も大人っぽい服を着て、帰りにお父さんと合流前に待ってる時にナンパもされたらしい。
T.Kレコード本社にてオーディション中
校長先生が、マイクを持って前に立つ。
この度、T.Kレコードのオーディションに合格し、特待生として招かれました。
今朝学校にはレコード会社から、連絡がありました。
皆さんで学校開設以来の快挙を拍手で祝福してあげましょう。
申し訳ないんですけど、私特にこんなことをいちいち、全校集会でやらなくていいと思います。
レコード会社から、連絡あったから、何なんですか?
学校開設以来の快挙というより、今までそういう部門に興味ある人が、この学校にいなかっただけかもしれないので、寒い中、特にこういうの意味ないです。とりあえず、ありがとうございました。
先生達はアタフタしている。
成瀬家の新年はちょっと憂鬱だ。
本家へ挨拶へ行きお年玉をもらうまではいいのだが、毎年決まって私は親戚のおじさんに小言を言われる…
お姉ちゃんは今までは褒められることしかなく、甘えるのも上手な為、親戚達からも可愛がられていた。
でも、今年は違った…