第17話 姉と父の和解?
文字数 1,948文字
下に降りると、お父さんはコーヒーを飲みながら、テレビを見ていた。
お母さんは食器を洗い終わって同じようにコーヒーを飲んでいた。
紗絵どうしたの?教科書とノート持って珍しいわね。まさか、今宿題してるの?
学校から帰ってきて宿題する約束でしょ?
なんだ、紗絵は宿題今やるつもりなのか?
もしかしていつもこうなのか?
(まぁ、いつも正直に言えば後回しです。
でも、言ったら怒られるから言わないよ〜)
え〜っと、宿題は帰ってきてから、やってるから、終わってて、今は予習復習の時間なんだよね〜
それでお父さんに教えてもらおうと思って来たんだよね〜
紗絵が予習復習?何かの間違いじゃないの?
お菓子食べてテレビ見てゲラゲラ笑ってるのがダラダラしてるのが紗絵でしょ?(笑)
(どんだけ私のイメージひどいんだよ…当たってるけど…)
予習復習なんてしたことないよ(笑)
でも、私も成績は比較的良い方だ。
お母さん、まぁいいじゃないか。紗絵がやる気を出しているんだ。
何を教えてほしいんだ?見せてみろ。
私が開いたのは教科書のほうじゃなくて、ノートのほう。
そのページを読むお父さん。
開いたページを読み進むとお父さんは一瞬固まった…
そう、私の開いたノートのページの最後まで読めば
①里保➁美保③紬④向日葵 性別女の子
と書かれているから。
これはわざと見せた。
もし、名付け親がお父さんになることがあれば、自分がつけた名前の孫はかわいいに決まっている。
形はどうあれ初孫に変わりはない。
そしたら仲直りするかもしれない。
お姉ちゃんが嫌がればそれで終わりだけど…
なるほどな〜。紗絵にしては凄いな(笑)
じゃあここは3番で。
え?何勉強教えるんじゃないの?
あなた何でいきなり答え言うの?
紗絵にちゃんと教えてよ!珍しく勉強にやる気出してるんだから。
お母さんにはノートを見せていないので、たぶん、普通に勉強を聞いてると思っているのだろう。
お母さんは選択問題かなにかの番号だと思っているんだと思う。
だから、いきなり番号を答えたお父さんにそう言っているのだろう。
お父さんは勉強を聞いたわけじゃないことを理解しているから3番って答えてくれたんだと思う。
この問題は難しい問題なんだよ(笑)なかなか途中の式を教えるのは難しい問題なんだ。
紗絵にはまだ早い問題だったな(笑)
そんなに難しい問題を紗絵が勉強してるの?
紗絵凄いわね。頑張りなさいね。
やっぱり私にはまだ早い問題だよね〜。いや〜難しかったなぁ〜(笑)
あ、ありがとう(笑)答えは3番ね。
りょうか〜い。
私がそういうとお父さんは笑いながらノートを閉じて私に返した。
私は受け取ると2階のお姉ちゃんの部屋に向かう。
どうしたの?
急いで階段上がってきて。
息切れしてるよ?
急いで階段をあがってきたのも確かにあるけれど、空手にテコンドーをやめてから、体力が落ち始めているのがあきらかになった瞬間だった…
落ち着いてからお姉ちゃんに話しかけた。
答えは3番だよお姉ちゃん!!
お父さんが難しい問題だって言ってた。
え?何?いきなり3番って言われても、なんのことかわからないよ(汗)
難しい問題が出たの?
そう!!私にはまだ早い問題だったなって言われた(笑)
お母さんはなんのことか全然わかってなかったけど、お父さんはわかったみたいこの問題。
そう言って私はお姉ちゃんにノートのページを開いた。
お父さんにも見せたページだ。
お姉ちゃんも最後まで読んだ。
お姉ちゃんはちょっと驚いた顔をした。
そっかそっか。3番か。前向きに考えておくよ。
紗絵凄い問題解いてたね〜(笑)
私は問題を出しただけ(笑)
解いたのはお父さん。
ちなみにこの問題は何番を選んでもそれが正解です。
なんちゃって(笑)
それじゃあ、私お風呂入って寝るね。
おやすみなさ〜い。
私はそう言うとお姉ちゃんの部屋を出てお風呂に入り眠りについた。
翌朝の朝食の時間。
私がおきて、降りていくと、みんなリビングで朝食をすでに取っていた。
絵里、紗絵の問題3番って俺は言ったけど、決めるのは、絵里の意見が1番大事だからな。
お父さんとお姉ちゃんが会話した!!
最近あれ以来一言も会話はなかったのに。
まだ、前みたいな感じじゃないけど、すこしずつ、また、前みたいに戻れたらいいと私は思う。
お母さんは、話がわからないから、ずっとお父さんとお姉ちゃんを交互に見てキョロキョロしてる。
そして、この日私はスマホを手に入れた。
お母さんにお父さんとお姉ちゃんが会話したのは私のおかげだからねって恩をきせて、当時の最新モデルを買わせた私だった。
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