第10話 ごめんね…
文字数 1,918文字
お父さんとお母さんに心配はかけたくなかったため、お姉ちゃんは上級生に絡まれても、この2ヶ月ずっと我慢して相手にしないようにしていたらしい。
ビチャビチャで帰っただけじゃなく、レッスン用の服もビチャビチャ、レッスンはその日は休むことになり、お姉ちゃんは珍しくお母さんに結構怒られてた。
お姉ちゃんは2名を病院送り、3名は恐怖で怯えているのか学校では見た目は派手でもおとなしいらしい。
私もビチャビチャな理由をきかれたが、お姉ちゃんと一緒に歩いていると車に水をかけられたっていう話でお姉ちゃんと話を合わせた。
お姉ちゃんは帰って来る時も帰って来てからも夕飯の時も少し元気がなかった。
自転車入学式の時はピカピカだったのに、入学してちょっとしたら、傷できてたりしたのって、ずっとアイツらになんかされてたの?
でも、友達はみんな部活で私が1人の帰りにいっつも狙われてたんだと思う。
結構頻繁に嫌味とかは言われてたよ。自転車はよく蹴られたかな。
でもね、私ずっと我慢してた。いいや、こんな人達相手にしなくてって思ってた。
紗絵のこと巻き込んで、怪我までさせて、嘘までつかせてごめんね…
もし、ママ達にバレたら、私のせいにしていいからね。紗絵は何も悪くないんだから。
私だけが標的なら、たぶん私は今日みたいなことはしなかったよ。我慢できた。
あの人達が嫌味とかじゃなくて、手を出してきたのは今日が始めてだったけど、紗絵にまで手を出そうとしたから、私、自分を抑えられなくなった…
私を強くしてくれた師範に合わせる顔がないよ…
バレても、私はお姉ちゃんのせいにしないよ!
お姉ちゃん悪くないもん。私を助けてくれたもん。
師範は、きっとそんなことは思わないよ!
私が、師範と初めてあった日、武力で相手が来た時は武力で、返しても仕方ないみたいなこと言ってたよ。
私も強くなって、今度は私がお姉ちゃんのこと守ってあげる!
だから、お姉ちゃんは日本一の歌手目指して頑張って!!
お姉ちゃんが日本一の歌手になったら、強くなった私をボディーガードで雇ってくれてもいいよ(笑)
紗絵は優しいね。
でもね、私より強くなっても人を傷つける為に武力を使わないでほしいな。
私のボディーガードになって私のために武力も使わないでほしいな。
紗絵には大事な何かを守る時だけ戦ってほしいな。
ボディーガードじゃなくて、私と紗絵で一緒に日本一の歌手になるのはどう?
私と一緒に大きくなったら姉妹で歌おうよ?
きっと楽しいよ?
たくさんの人の前でたくさんのライトを浴びて、そのたくさんの人達以外のみんなも感動させたいな。
たくさんの人達に夢や希望を与えられる人に二人でなろうよ?
紗絵可愛い顔してるし、きっと売れるよ!!
私、昔幼稚園で歌歌ったぐらいだよ?(笑)
でも、姉妹で歌ったら、私お姉ちゃんの影になるもん。嫌だよ(笑)
お姉ちゃんと並んだら、私ただの引き立て役じゃん(笑)それも嫌だよ(笑)
私が夢も希望も持てなくなるよ(笑)
あくまで、続かなかったらだよ。大会で優勝しなかったらとか、そういうんじゃないから、それならいい?
私、ちゃんとレッスン受けてるから、その時は私が歌もダンスも教えるからさ(笑)
私は空手もテコンドーも辞めるつもりはない。
姉妹で日本一の歌手を目指すことはないって思ってた。
だから、簡単に返事をした。
T.Kレコードアカデミースクール特待生
ダンスレッスン中