第4話 そんな簡単に…
文字数 2,502文字
U12テコンドー世界大会は前年から2連覇となり、天才少女や未来のオリンピック選手や美少女アスリートなどとして、テレビに取り上げられた。
夕飯を食べながら、お母さんとお姉ちゃんがその話をしている。
アーティストに強くない事務所に所属したらさ、違うことばっかりさせられて、歌手させてもらえないかもしれないじゃん。
だから、私T.Kレコードに入るの。入って日本で1番の歌手になるの。
T.Kレコードから誘い受けたわけじゃないでしょ?そんな話は私聞いてないわよ?
でも、私が今好きなのは音楽なの。だから、空手もテコンドーもU12でしかないけど、世界一になったら、辞めるって自分で決めてたの。
みんなの期待する私はオリンピック選手とか世界王者とかでしょ?
私別にみんなの期待に応えるために生きてるわけじゃない。今自分がしたいこと、諦めたくない。結果が出るかはわからないよ。
でも、私は歌手で日本一にまずはなるの。
T.Kレコードから、誘い来てないよ。
だから、オーディション受けに行くの!
でも、それで落ちても私は歌手になる夢を諦めたりしない。
他のとこにオーディション受けに行く。
そして、お姉ちゃんは0からのスタートでも気にしない人だ…
空手やテコンドーも0からスタートしてその世代の世界王者となったのだから。
そしてお姉ちゃんが音楽に興味があることを私は知っていた。
両親にバレないように夜遅くまで聞いていたのを目の前で見てきたのだから。
自分を応援してくれた、お父さんに甘えるお姉ちゃん。
辞めたって言って、捨てちゃうくらいなら、その才能私にくれたらいいのに…
お姉ちゃんは二兎を追って二兎とも得てしまう人なのだろう。
歌手になることも日本一の歌手になることも、お姉ちゃんなら出来るのかもしれないとこのときの私は本気で思った。
空手とテコンドーのジュニア世界王者になっただけあって強心臓な人だと思った。
幼稚園の頃、フジテレビに両親に連れて行ってもらったから、少しだけ覚えてる。
たまにお姉ちゃんが使ってるのを見ると楽しそうだなぁ〜なんても思う。
一人で退屈していた。
テレビを見ながら、ウトウトしていると、私はいつの間にか寝てしまっていたらしい。
どれくらい寝てたのだろう。お母さんにゆすられて起きる私。
U12空手世界大会 チャンピオン
U12テコンドー世界大会 2連覇