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文字数 462文字

姉さん、どこに行っちゃったんだろう……
暗い夜道を、肩を落としながら歩く。
……ん?

 爪先を見ながらあてどなく進んでいた蓮人の目に留まったのは、ビルとビルの間に隠すように置かれている、三角形の看板だった。



 上部についた矢印は、商業ビルの地下を指し示している。ビルの一階から上はすでに閉店していたが、地下は営業中らしく、階段にも明かりがついていた。

バー、エンドロール?

 このあたりにきたことはほとんどない。まして、最近ようやくお酒が飲める年齢になった蓮人にとって、バーはなじみのないものだった。

なんかハードル高そうだよね、バーって
それに、怪奇な体験話をなされた方に、ドリンク一杯サービス中、ってどういうことだろう?
 申しわけ程度にライトアップされている看板の、素朴な字体で書かれた店名の下に、そんな文句が小さく記されていた。
怪奇な体験か

 一日中、歩き通していたため、足は棒のようになっている。休んでいる場合ではないという思いはあったが、静まり返った夜の田舎町をさまようことに、意味があるという気もしなかった。

少し、休んで行こう
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登場人物紹介

【九曜 蓮人(くよう れんと)】

失踪した姉を探している大学生。

Barエンドロールにて怪奇事件の話を聞き、魔術の存在について知ることになる。


【ツァック】

自称・マフィアの男。

過去にも数度、魔術がらみの怪奇事件にかかわってしまっている。

行方不明の妹分、ヒノを探している。

【マスター】

Barエンドロールのマスター。穏やかな初老の紳士。

魔術がかかわる怪奇事件に巻きこまれ、生還した者から話を聞くことを趣味としている。

ドリンク一杯サービス中。

【少年】

ツァックが目覚めた礼拝堂で出会った少年。自分の名前を含めたすべての記憶がない。

巷で噂の連続失踪事件の鍵を握っている……?

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