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文字数 755文字
反射的に振り返ると、青白く発光していた像が崩れていた。茫然としている少年を階段に残し、ツァックは像の残骸に駆け寄る。
つまづかないように気をつけながら、礼拝堂に戻る。祭壇の後ろの像を見て、ツァックは香油の使い方も理解した。
とむらいの供え。地下で朽ちるように崩壊した、救世主の像。
天秤の片側にひと口大のパン、逆側に銀貨がつまった麻の袋を載せると、祭壇の端にツァックの愛銃が出現した。掴みとって安全装置を外し、ツァックは思わず冷たい銃身に頬を寄せる。
少年に銃口を向け、ツァックは磔刑にされた救世主の前で、告発した。