第8話:大阪、神戸、京都を攻略2

文字数 2,499文字

 2014年も夏が過ぎ秋になり11月16日、佐藤さんから夜に呼び出されていくと居酒屋で、大阪の三菱UFJ銀行が動いてくれると、うれしそうに言った。プロジェクトの大きさと東京と首都圏で既に完成したシステムでありリスクも少ないと判断したようで三菱UFJ銀行に打診して3ケ月という異例の速さで決まった様た。そして極めて協力的な反応に佐藤さんが驚いた程だったという。

 それも銀行は大口融資先が減ってしまい運用難が続いて、かといって、いたずらに海外に投資を広げるとサブプライムローンみたいな前例もあって、困っているところだったようだと教えてくれた。ただ、今まで丹沢先生が協力してくれたが、もう一つ信用できない所があって引っかかっていると佐藤さんの顔が曇った。

 じゃーどこが、どう、まずいのかと上手く説明できないが長年多くの人と付き合っているうちに備わった勘って奴かなと言った。もし仮に大阪での仕事が上手く行ったとしても甘い汁を吸えるのは投資できるだけの資金を持っている三菱UFJ銀行と丹沢先生だけで我々で資金が足りなくて動けないというと、もし億を超えいる金ができたらと泉田が佐藤に言うと、そりゃー投資で中に切り込むさと言った。

 その当てがあるのかと佐藤さんが泉田に聞くと、ない事もないと妙な返事をすると、どういうことだと聞かれ、今度の投資で成功すれば億を超えいる資金が得られると、はっきりと言い、佐藤さんはどうなんですかと聞くと6千万円位あるが負債も4千万円位ありサラリーマンの宿命だよと言った。その点、泉田は株投資を何年やってるのと聞かれ11年目ですと言うと、それで億なら才能あるなーと驚いていた。

 ともかく三菱UFJ銀行との面談の時には必ず丹沢先生と一緒について行くから日時、場所が決まったら知らせるから、できるだけ一緒に来てくれないかと言われ了解した。やがて年の瀬を迎えて、2015年を迎えた。2月13日に佐藤さんから電話で4月7日、午後16時に三菱UFJ銀行・大阪中央支店で面会すること決まったと知らせが入った。そこで、まだ早いので、病院に休暇願を出して4月7日、8日、休暇をもらいますと告げた。

 その後、2月15日、夜19時に静岡の医師会館へ来て欲しいと連絡が入り行って見ると、以前、講演会で丹沢先生が披露してくれた首都圏の高度臨床検査センター現状のデータを見せてた。きれいな写真とOHPを制作してありパソコンでデータが全部入っていた。すごい、さすが100戦錬磨の達人、佐藤さんだと驚いた様に笑った。

 丹沢先生が、この資料を持ってくるかなと聞いたので、もし本気で三菱UFJ銀行と大阪を攻めるとしたら絶対、この資料見せれば銀行首脳部をその気にさせられるはずと言った。でも、もしものため持っていったらどうですかと言った。我々は何としてもやりたいと言うのは本音だし、もし資料を持っていって丹沢先生が使わないなら、こっちが使うまでさと言った。

 その翌日、2月16日に佐藤さんの所へ丹沢先生から電話が入り2月20日会いたいので静岡の医師会館のOHP、スライドを使える部屋を借りておいてくれと言われたと泉田に連絡が入り2月20日19時半に静岡医師会館に出向くことにした。2月20日19時半に静岡医師会館に行くと既に佐藤さんがOHPとスライドプロジェクターを要していて、少しして、丹沢先生が、ごめん送れてと言いながら入ってきた。

 そしてバッグを机の上に置いてOHPに大阪でのプレゼンの資料を写しだして首都圏の高度臨床検査センターの場所と施設内部の写真と検査費用、借入金と返済状況と投資者の数と資金の返済利率などを書いた資料。特に、彼らの関心を引く様に銀座、渋谷、新宿、最近の港北ニュータウンと土日、夜間の検査の状況など驚く様な資料や目をひく資料ばかりを最初に出して見せると言った。

 そして患者さんの推移とか以前、見せてくれた資料はと聞くと、我々、医療関係者は患者さんの数とか興味あるが彼らの目的は利益だけでしょ必要かなと言い必要かどうか聞いて見て、判断すると言った。つまり、彼らの目をひくような事を中心にプレゼンテーションをしたいと言うのだった。

 これに対して、臨床放射線技師・パラメディカルとしては実際に医療にどれだけ貢献しているのか、患者さんにどれだけ貢献しているのか、また完成においては、このシステムがいかに患者さんのためにメリットがあるのかを正面切って話すべきじゃないかと言った。もう既に三菱UFJ銀行では、ゴーサインが出ているのだからと言った。

 確かに、そうかもしれませんねと丹沢先生がうなづいた。この意見に対して佐藤さんにも意見を聞くと私も泉田君の意見に賛成で、むしろ銀行側は欲しい資料を聞いて、極力見せて足らない資料があれば、もう一度揃えていく位のでかい仕事じゃないですかと佐藤さんが丹沢先生に言うと確かにそうかもしれない。

 銀行の目をひくことばかりに気を取られていて肝心な事を忘れていたのかも知れないと言い、その線で行こうと丹沢先生は安心したような顔に戻り、これで安心したと言い資料をバッグに戻して、これから泊まるホテルで一杯やろうと、私が全おごるからさーと言って部屋を閉めた。その後タクシーでホテルに行き、フロントに出て来て、折角だから、可愛いお姉ちゃんのいるところへ案内してよと言った。

 泉田が、私はわからないので地元の佐藤さんに連れて行ってと言った。それに対して佐藤さんは仕方ないなーといい歩いて繁華街の若い子の多いパブへ案内してくれた。店に入ると久しぶりね、佐藤ちゃん元気してたと、明るい、きれいなスレンダーガールがやってきた。ボトル、まだあるけど、どうすると聞いた。

 今日は平日で、みんな暇してるから好みの子を呼べるわよと言うと
「丹沢先生はボインなねーちゃんが良いと言い」、「泉田は色っぽい子が良い」と言い
「3人好みが違い喧嘩にならなくて良かったと明るく言った」。そして
「佐藤ちゃんは、もちろん私よねと言うと笑いが起きた」。
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