七菜の呟き·第8話 明日の岸辺と未来のあたし

文字数 1,659文字

でも、二人ともモテるよね。
恭子はさ、中学の友達とか、他の学校の男子とか、彼氏じゃない男のツレ?いっぱいいるけどさ、あの子ら絶対みんな恭子狙ってるよね。
だってさ、恭子がケータイでピピッてメールしたらさ、直ぐにホイホイやってくる。
まるで召し使い。
ランプの魔神!
ケータイ擦ったら出てくる(笑)。

真帆の方は学内の後輩男子たちからモテてるよね。
ラブレターなんか貰っちゃってさ。
やっぱあの爆乳の威力かな。
最終兵器·G型オッパイミサイル2機搭載。
下級生の童貞くん達なんかイチコロだよな。
きっとアイツの好きなオヤジ達も、あのオッパイミサイルで打ち落としてるんだろうな。
あのお色気で誘惑されて落ちない男っているの?
そういえば最近またおっきくなった様な気がするよね。
推定Hカップか!?
よし、今度シャワーの時に揉んで確かめてやろ。
いいよね~。美人で巨乳(笑)

何て言ったかな?

そうそう、「天は二物を与えず」!
国語の教科書に載ってたやつ。
ウソつけ~!
昔の人って馬鹿なの?
誰が言ったんだよマジで。
天は二物を与えてるじゃん!
あ、オッパイは2コあるから三物だね(笑)
そりゃモテモテでしょ。

あっ、でもラブレターの数だけで言えばあたしの方が多いけどね。
って言ってもまあ、みんな女子からなんだけどね。
なんかこの学校来てから急に女子にモテだしたんだ。
まあ気持ちは嬉しいけどさ、あたしレズッ気は全く無いから、ゴメンねって感じ。

でもね、なんか無下にはできないんだよね。

なんかさ…。

あたしに手紙くれる女の子たちって、どこか昔のあたしと似てる。

中学んときのあたし。

恋愛の仕方知らなくてさ、妄想だけが膨らんじゃうんだ。

きっとさ、あんた達の本当に好きな相手はあたしじゃないよ。

早く本当に好きな彼…、見つかるといいね。
あんたらの学年はせっかく共学なんだしさ。

あたしは中学のときから相変わらず、同じ学校の彼氏ってのは憧れなんだよね。
いまは同級生に男子いないから、後輩に期待してたんだけどね。
2年にはイケてる子はいなかったな。
今年の新入生はどうかな?
あ~、でも、2歳下かぁ~。
ちょっとキビシーけど、身長があたしより高かったらいいかな。
本当、誰かいい男子いないかな?
でもね、自慢するためのアクセサリーみたいな彼氏はもうそろそろ卒業したいかな。
あたしも今年で18歳なんだしさ、本気で好きな人との大恋愛がしたいよね。
いつまでもこどもの頃の失恋引きずってないでさ。
高校は無理なら大学でみつけるかな?
同じキャンパス内の彼氏。
同じ授業受けて、一緒に帰るんだ。

大学受験かぁ~。
あたしアタマ悪いんだよね~。
スポーツ推薦?
いやいや、それじゃ大学でも体操続けなきなんないよね。
やっぱ勉強するしかないのかな?
専門学校とかでいいかな?
みんな将来どうするんだろ?
進学、就職、結婚…。
あたしは、まだ何にも考えてないよね。
あと1年で卒業だってのにさ。
ヤバい。
焦るよね。

勉強は今一つだけどさ…。
部活は頑張ったと思う。
空手もちゃんと続けて黒帯とった。
友達とはすごくいい関係。
一応彼氏もできたりした。

でもあたしは何か変われたのかな?
あれから大人になれたかな?
これからあたしはどんな大人になるのかな?

未来の自分に問いかけてみたい。

あなたはどこでなにしてますか~?

なんかアンジェラ・アキの曲みたい(笑)。
あの歌好きだ。
合唱コンクールで歌った。
今でも悩んでる時や落ち込んでる時に聴いて泣いちゃうことあるんだ。

「自分とは何で何処へ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」

あたしは何者で、何処にむかえばいいの?
今のところは見えてこないよ~。

あたしに見えるのは、目の前のことばっかり。
真っ暗な 荒れた青春の海。
明日の岸辺に向けて、独りで舟を漕ぎ出す勇気はないよ。
あぁ…だからかもね。
だから誰かと一緒にいないと不安なのかもね。
あたし、社会に出て友達いない世界で独りで生きて行ける自信なんてないな。
たぶん寂しくて死んじゃうよね。

大人は寂しくないのかな?


ねえ未来のあたし…


あんたははどうなの?






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