七菜の呟き第2話 クマのパンツと初恋のアイツ
文字数 1,036文字
初恋とか?
あんまりコレってのはないけどね。
小学生のときなんかさ…。
一応、好きな男の子とかできたりはするんだよ?
でもね、そういう男子がいたらさ、ついいじめちゃうんだよね。
意地悪したりしてさ。
そういえば小学校の4年のとき、ちょっと好きな男の子いたんだよね。
同じくクラスのケンジ君。
かわいい感じの男子だけど、ちょっと生意気だったんだよね。
あたしにしょっちゅう、ちょっかいかけてくるの。
チビで弱いくせしてさ。
その日はさ、あたし珍しくスカート履いてたんだ。
で、放課後みんなで帰る時、廊下歩いてたらさぁ…。
あたしが珍しくスカート履いてるもんだから、からかって「スカートめくり」してきたんだ、ケンジ君や他の男子のワルガキたちが。
それでさ、あたし後ろからモロにめくられてね…。
やったのはケンジ君。
たぶんワルガキたちにそそのかされたんだろうけどさ。
もうさ、みんなの前でパンツ丸見え!
しかもそんな日に限ってお尻のところにクマちゃんのイラストが入ったパンツ(笑)
たぶん1年生ぐらいの時のやつで、あんまり履かないままタンスに入ってたやつ。
前の日の晩、風呂上がりに着替えた時…、ちょっと小さくてきつかったけど、他に洗濯乾いてるのが無かったから…。
でもさ、そん時もうあたし4年生だよ?
そんな子どもみたいな幼稚なパンツ、みんなに見られて超恥ずかしいでしょ?
だってさ、その頃のあたしは男子よりも背も高いし、ガキ大将気分でいっつも偉そうにしてたんだよね。
なのにあのパンツ!
もうさ、それ見てたクラスの男子たちも大喜びで大爆笑!
もう恥ずかし過ぎ!
あたしアタマきたからさ…。
ケンジ君を捕まえてズボンとパンツ脱がして、ちんちん丸出しにしてやったんだ。
ザマーミロ!仕返しだよっ!ってね。
そしたらさ、ケンジ君、ワンワン泣き出しちゃってさ。
あ、やりすぎたな…。って。
よっぽど悔しかったんだろうね。
子供ながらに男のプライドとかもあったのかもね。
いつまでもシクシク泣き止まないケンジ君をさ、何人かの女子と一緒に慰めながら家まで送っていったよ。
そのとき思ったこと?
「ごめんねケンジ君。送ってあげたんだから、親や先生にチクらないでね。」
…かな?
これは初恋にはカウントしたくないなぁ(笑)
でもね、本当小学校の時はよく男子いじめたり泣かしたりした。
今になって思えば、その子らのことが好きだったんだと思う。
ほら、よく言うじゃん。
男子が女子に意地悪するのは、その子の事が好きなんだって。
それだよねたぶん…、逆だけどね。