七菜の呟き·第5話 燃える闘魂と伸身宙返り

文字数 1,169文字

今はうちの学校共学だけど、まだあたし達の時は女子高校なんで格闘系の部活は全く無くてさ。
今後男子生徒が増えたらできるみたいなんだけどさ…。
でも、ソフトボール部とかテニス部とかダンス部とか…、どれもこれも、何か熱くなれないんだよね。
もっとさあ…、格闘技みたいにガチガチにカラダ張って、この若い闘魂を熱く燃やせる様な、そんなダサい青春ドラマみたいなの求めてたんだよね~。
なんせ育った環境が暑苦しいから(笑)

で、じゃあ他に何にするか考えたんだけど、どうせなら空手と両立して練習できるのって考えたら体操部だったんだ。
体操って、特殊な動きするのに全身を鍛えないといけないし、大きな筋肉以外にも、体幹も鍛えれる。
空手にもそれは大事だからね。
で、そんな理由でクラブ見学行った時、先に入部してた恭子が技、見せてくれたんだ。
その時は平均台だったんだけど。
とにかく動きがしなやかでさ、女らしいって感じ。
そしたらさ、そこからスッゴく高く舞い上がってくるっと回ってスターン!て着地!
綺麗だけどすごくカッコイイ!
鮮やかな伸身の宙返り。
スゴイ!
人ってこんなに高く跳べるんだ!
これだ!
あたしの求めていた『燃える闘魂』!
って思ったんだ。
あたしさ、可愛らしいお人形さんみたいな女の子には絶対なれないのは自分でわかってる。
でも、恭子見て思った。
女の綺麗さってそんな弱々しいものばっかりじゃないって。 
力強くてダイナミックだけどしなやかで綺麗。

あたしもそんな風になれたらいいなって思った。

一緒に入った真帆はさ、なんかあたしとは違ってたな。

アイツは最初っから女らしかった。
バレエやってたんだって。
動きがしなやかで美しい。
実はさ、あたしも真帆も体操自体は未経験だけど、「バク転」や「前転」ぐらいなら最初っからできたんだよね。
でもね、同じ事やってんのにあたしと真帆じゃあ、なぜだかまるで違うの。

あたしのは「ドーン!ダーン!」って感じ。
真帆のは「フワーリッ、ストンッ…。」て感じ。
ムッチャ参考にした。
でもやっぱり一等鮮やかなのは断トツで恭子かな。
入部した時点でかなり実力差あったもんね。
でも、早く恭子みたいな技できるようになりたくてね。
技を一つ一つ習得していくのがすごく楽しかったな。

部活終わってからもいっつもこの3人で過ごしてた。
真帆はあたしにお洒落指導してくれるんだ。
女の子はちゃんと綺麗にしとかないとダメだってさ。
メイクも教えてくれた。
まだまだ真帆みたいに上手には出来ないけどね。

恭子はさ、体操も教えてくれたけど、それ以外に、女子に人気のお店とか学校の外での遊び場、色々教えてくれたな。
あと、アイツってばさ、地元友達ムッチャ多いの。
女子だけじゃなくて男友達も沢山いるんだ。
彼氏には不自由してませ~ん、って感じ?
あたしも友達いっぱい紹介してもらった。
もちろん男子もね。
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