真帆の呟き·第4話 バナナとアルファロメオ

文字数 1,559文字



夏休み中、部活の練習の無い日に、公営プールの監視員のバイト、ちょっとだけやったことあるんだけど、そこで同じ監視員の人に声かけられて仲良くなった。
歳は29歳。
最初はオジサンだなって思った。
でもさ、普段はスポーツジムのインストラクターやってて、腕とかすごく太くて、身体も大きかったしたくましかったんだ。
なんか安心感っていうか、包容力感じた。
同い年の男子なんかと全然比べ物にならなかった。
話題も豊富だし、私の知らない事いっぱい知ってるし、デートもスマート。
車でお迎えに来てもらえるデートなんて初めて。
なんだか大人の女になった気分。
しかも真っ赤なスポーツカー。
車はあんまり詳しくないから、よくは分からないけどイタリアの車なんだって。
アルファロメオってやつ。
少しキザっぽいけど、彼が乗ってるとサマになる。
ごはんもお洒落なお店連れて行ってくれて、カフェバーも初めて行った。
ちょびっとだけど、お酒も初めて飲んだ。
あんまり美味しくはなかったけど、こどもと思われたくなかったから…。
ちょっとだけ大人のふりをしてた。
何回目かのデートでセックスした。
この人なら大丈夫かなって。
家とか公園なんかじゃなくて、ちゃんとしたホテル。
ドキドキするよね。
すっごく緊張した。
前までの彼氏のこともあるし、ちょっと怖かった。
でもすごく優しくしてもらえたんだ。
太い腕で私のこと軽々と抱き上げてくれて、「お姫様抱っこ」(笑)でベッドまで連れて行ってくれてさ。
部屋もちゃんと暗くしてくれて…。
同世代の男子みたいにがつがつしてない。
私の緊張をほぐすように、甘い言葉囁きながらね、身体のいろんなところを優しく愛撫してくれる。
そっとキスしてくれて、髪とか首筋を優しく撫でてくれて。
柔らかな肌と肌を寄せ合う心地よさに、だんだん心が休まっていく。
それまでは、男なんてオッパイとアソコにしか興味ないと思ってたからビックリ。
優しく触られて、私感じてたのかな?
背中とか太股をスーッと撫でられるとね…。
全身にビリビリと電流が流れる感じ?
アソコも触られたけど、全然嫌じゃなかった。
でも、すっごく濡れてくるのが自分でもわかって恥ずかしかったな。
男の人のアレ…、おちんちん…。
初めてちゃんと見た。
不思議だけど、全然キモいとかは思わなかった。
ただ彼の…、すっごく大きくてビビったよね。
私の知ってるモノとはかなり違ってた。
彼のがバナナだとしたら、今までのアレはモンキーバナナ。
えっ?ウソ!?これって普通なの!?
いやいや…待ってよ!
こんなの入るの!? モンキーバナナでもあの痛さだよ?って。
でも、不思議。
いざ入れると…、ちっとも痛くなくて、スルッと入った。
彼が私の奥までに入って来たのがわかるんだ。
あとは優しく抱きしめられながら…。
カラダがとろけるような…、すごく満たされた時間だった。
あんなに嫌だッて思ってたセックスが、こんなに素敵なものだったんだって知った。
私、この日初めてイッた。
その瞬間、それまでの嫌なセックス、全部忘れることにした。
比べてやったの。
この彼とそれまでのあの男子たち。
素敵なデートの時間。
ロマンティックな夜。
たくましい大人のカラダ。
優しい愛撫。
気持ちいいセックス。
色々比べてやったの。
そしたら、なんだかあの男子たちが哀れにさえ思えてきた。
言ってやりたい。
ねえ、私さ、何にも知らないままに、あんたたちの慰み物になってたこどもの私…、それが悔しかったんだよね。
でもさ、私はもう大人のセックスを知ったんだよ。
彼、すごく素敵だよ。
あんたらなんかとは次元違うよね。

優越感を感じた。
あのガキっぽいモンキーバナナの元彼たちにはもちろんなんだけどさ…。
そんな風なガキんちょを「彼氏」とか言ってる女の子達、恭子や七菜にもね。
あのコたちは、きっとまだこんな素敵なセックス知らないよねって。
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