第17話
文字数 594文字
「駄目 だった?」
今回 の絵 は、僕 の中 では自信作 だった。
深 い海底 に宮殿 があって、その奥 に鏡 がある。
その鏡 は装飾 が少 ないけれど、綺麗 な縁取 りがついている。
その鏡台 の下 に、小 さな赤 い石 が落 ちている。
赤 い石 が、鏡 に当 たって鏡 に小 さなヒビが入 っている。
文字 にしてしまうと、それだけの絵 だった。
「駄目 というか、自分 の想像 と違 っていて。……肖像画 かと思 ってたので」
「あれ?言 ってなかった? ごめんね!」
「いや、でも――」
そうやって木戸口 さんは、まじまじと絵 を眺 めている。
「やっぱり……駄目 かな?」
「いや……、いいです。見 れば見 るほどいいです。好 きです」
「本当 ?」
「なんだか、予想外 でしたけど、見 れば見 るほど、自分 のことが描 いてある気 がしてきます」
「よかったぁ。僕 のイメージを詰 め込 んでみたんだ」
僕 がそう言 うと、木戸口 さんは、絵 から眼 を離 した。
「描 いてもらってよかった……」
「え?」
「……なんでもないです」
「ええ? そう言 われると、気 になるよ」
それでも木戸口 さんは教 えてくれない。
木戸口 さんはしばらく悩 んでいるようだった。
そして、最後 にこう言 った。
「――魚 は泳 いでる時 が一番 活 き活 きとしてるし、鳥 は飛 んでる時 が一番 美 しいんです」
「え?」
僕 は木戸口 さんを見 た。
日 が暮 れかけだから、木戸口さんの表情 は見 えない。
でも、そこに村口 さんに似 た女 の子 はいなかった。
……ような気が、した。
その
その
「
「あれ?
「いや、でも――」
そうやって
「やっぱり……
「いや……、いいです。
「
「なんだか、
「よかったぁ。
「
「え?」
「……なんでもないです」
「ええ? そう
それでも
そして、
「――
「え?」
でも、そこに
……ような気が、した。