第17話:スキー合宿と温泉で花見

文字数 1,608文字

 スキー合宿の場所は、八海山スキー場。車で一時間の所にあるスキー場である。午後五時に病院を出て、近くの酒屋で八海山、越乃寒梅、雪中梅、久保田万寿、〆張鶴など新潟の銘酒と、ウイスキーとワイン、焼酎を買いこんだ。スキー場の近くの温泉旅館に、宿を取り、私と下田先生の先発隊が、出かけた。

 宿に着いて、早速温泉に入り、酒の席となった。自己紹介をしあい、酒盛りが始まった。
 先発隊は薬局の二人と下田先生と私の合計四人で、車は下田先生のボルボの大型ワゴンだった。薬局の子は、二人とも地元出身で下越薬科大学出身との事だった。最初は、静かに新潟の銘酒のうんちくを聞かせてくれたが、だんだん盛り上がってきた。私は本当は、洋酒等で日本酒は甘くて、苦手だった。

 しかし新潟に来て越乃寒梅、雪中梅を飲んでイメージが変わった。本当に飲みやすいのである。その中でも特に〆張鶴が好きだった。ウイスキーの水割りロック、ワインの栓抜きとか雑用をこなし、つまみをあけて酒の席を盛り上げた。そのうちに、カラオケに行きたいと言う話になった。運良く、宿のカラオケルームが、まだ空いていて、そこへ向かった。

 ちょっと、かび臭い部屋だったが、設備は、まずまずだった。カラオケのセット、マイクのセットを終えて最初に下田先生の挨拶、その後、すごい勢いで、歌い始めた。キャンディーズ、ピンクレディ、演歌、大いに盛り上がって初日を終えた。翌日十時頃に、三台車で、残りの六人が、やってきた。

 部屋で部屋割表や時間割、集合場所など必要事項を確認し合った。早い昼食後、スキーを始めた。女性達は、地元と言う事で上手であり下田先生も、かなり経験豊富な様で、私と薬局の二人と共に中上級者用の林間コースを滑った。外科の若い先生方は、看護婦さん達に、初心者コースでスキーの滑り方を教えてもらっていた。

 少しして、珈琲タイムに、薬局の二人が、看護婦と交代して、私たちと楽しく滑った。今日は思った程の混雑もなく何回も滑れた。その代わり足の筋肉が、ぱんぱんに張って悲鳴を上げていた。そこで早めに切り上げ、ゆっくり温泉につかる事にした。夕食後、全員で前日予約しておいた、カラオケルームへ行き、歌って踊っての大宴会が、長時間続いた。

 眠くなった人から、次々に、部屋を出て、床についた。最終日は、中上級者のタイムトライアルレースが、企画してあり、5人が参加した。前半の時計係を村下が後半を下田先生がつとめた。その結果、下田先生が優勝、薬局の春子さんが準優勝、山井先生が三位、看護婦さんの一人が4位、村下は、林に突っ込み、途中転倒して、5位に終わった。そして、怪我人も出ず、終了した。
 私の、足の、赤あざの事は内緒。昼過ぎに、スキー場を出て、帰路についた。帰りの車中、運転していた、下田先生が、面白かったよと、お礼をいわれた。また、来年も、楽しみたいねと言うので、了解した。

 4月に女房が東京の実家から、新潟へ帰ってきた。そこで家族で、温泉に入りながら、花見ができるという所へ連れて行く事にした。そこは新潟県と山形県の境をちょっと山形へ入った温海温泉、萬国屋という老舗高級旅館である。昔は、角栄さんの後援会の越山会が、よく使った所だそうだ。

 4月の下旬、新しく買ったパジェロで、新潟を出て、新発田、村上方面の道をひたすら走り四時間で瀬波温泉に着き、海の見える旅館で、昼食をとる事にした。まだ生まれて、半年の長男みて、食事を運んできた仲井さんが、可愛いねと言い、食べる間、見ているから、ゆっくり食べてねと、やさしく、赤ちゃんをだっこしてくれた。

 そのため女房は、ゆっくり景色を見ながら昼食をとる事ができた。そこから一時間ほど海沿いを走り少し山の方へ入ると、温海温泉に入り、奥まった所に、萬国屋があった。旅館に入ると、お香の良い香りがして、気持ちよかった。チェックインを済ませて早速、温泉に入る事にした。
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