プロローグ

文字数 343文字

 これから綴る物語は私が実際に体験したこと、この目で見たもの、直接当人たちから聞いたこと、そして不足する部分は現地への取材や想像で補足して形にした物である。

 フィクションと思われるかもしれないし、それでも構わないと考えているが、それでもこれから記述することは実際に起こったことであるし、彼らは確かにそこに居た。

 過ぎてしまっても、信じてもらえなくても、私の心からは決して消えない輝く日々。私はそれらを記録したいと望み、関係者に許可をもらい、そして今こうして筆を執っている。

 誰かに真実を、あの日々を知ってもらいたいのではない。ただあの奇跡のような時間を、日々を、ここに標本のように残したいと願った。

 たとえ誰の目にも止められないまま、書庫やサーバーの奥底で埃を被って眠るだけとなっても。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

アレックス

アレックス・レイバーン(19)。王都軍諜報部隊ヴァンサーの訓練候補生。ヴァンサー創立以来の逸材らしく、潜在能力特S評価。加えてその長身と整った顔立ちでモテまくっている(ソラ談)らしいが、本人はそんなことより普通にお金が好き。荷物が少ない。趣味は読書と昼寝。幼少期の記憶を失っているが本人は気にしてない。人混みが苦手。色弱。

ニナ

ニナ・グレンヴィル(20)。ルクノルディア王の長女であり、ど田舎娘。特技は絶品と呼び声の高い歌モノマネ。めちゃめちゃ似てると、村のおじさんおばさんには大人気。よく食べよく寝てよく笑う。ただし寝すぎには要注意。

ソラ

ソラ・バサロヴァ(19)。ルクノルディア王国王女ニナ付の侍従で聖樹教の聖職者。幼児の頃の事故で左半身の一部が義体。潔癖気味のギタリスト。彼に弾けない弦楽器はないらしい。アレックスに言わせると腹黒聖職者。ニナとは幼馴染で彼女だけには激甘。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み