第28話 インタビュー
文字数 547文字
正直手記自体にはなんの意味も見出せなかった。
しかし、この春さんの手紙を読んで、気が変わった。
なんてこった。
オサムさん、いや、はるさんは、種明かしの無いマジック・ショーの観客だ。
私が彼に抱いた違和感は、これだったのか。
彼は未だ悪夢の中に居る。
私ははるばる長野県まで、関係者の取材に行く事にした。
驚いた。
そこはとても賑やかだった。
オサムさんが居なくなってから、あのフェスを契機に盛り上がった事業を、まみさんと2人の娘、晴海さんとしゅうくんが切り盛りしていた。
しゅうくんはうまく隠れ、女性4人で運営する音楽を絡めた山里の多目的スペースとして繁盛していた。
忙しい合間を縫って、まみさんと晴海さんに手記と手紙を読んでもらい話を聞く事が出来た。
まみさんは、「はるくんに会ったの?お酒飲みすぎてない?はるくん、優しいからすぐダメになっちゃうのよ。怒らないから帰って来てって、伝えてください」
それだけだった。
晴海さんは、「わたしは全部母から聞いてました。薬が効きすぎたかな?まみさん待ってるから、帰って来てと伝えてください」
やはり、それだけだった。
ちなみに晴海さんとしゅうくんはあれからここに移住し、まみさんを社長に据え、実際にはふたりが切り盛りしていた。
晴海さんがコトハラハルを名乗る事は、あれ以来なかった。
しかし、この春さんの手紙を読んで、気が変わった。
なんてこった。
オサムさん、いや、はるさんは、種明かしの無いマジック・ショーの観客だ。
私が彼に抱いた違和感は、これだったのか。
彼は未だ悪夢の中に居る。
私ははるばる長野県まで、関係者の取材に行く事にした。
驚いた。
そこはとても賑やかだった。
オサムさんが居なくなってから、あのフェスを契機に盛り上がった事業を、まみさんと2人の娘、晴海さんとしゅうくんが切り盛りしていた。
しゅうくんはうまく隠れ、女性4人で運営する音楽を絡めた山里の多目的スペースとして繁盛していた。
忙しい合間を縫って、まみさんと晴海さんに手記と手紙を読んでもらい話を聞く事が出来た。
まみさんは、「はるくんに会ったの?お酒飲みすぎてない?はるくん、優しいからすぐダメになっちゃうのよ。怒らないから帰って来てって、伝えてください」
それだけだった。
晴海さんは、「わたしは全部母から聞いてました。薬が効きすぎたかな?まみさん待ってるから、帰って来てと伝えてください」
やはり、それだけだった。
ちなみに晴海さんとしゅうくんはあれからここに移住し、まみさんを社長に据え、実際にはふたりが切り盛りしていた。
晴海さんがコトハラハルを名乗る事は、あれ以来なかった。