第4話 過去 美沙子
文字数 317文字
二人が出会ったのは、レトロな純喫茶店だった。
それまで美沙子には恋人がいなかった。そうかといって、お見合いをする気もまったくなかった。昔から自分に自信の持てない美沙子は、お見合いなどしても断られると決めつけていたのだ。だから持ち込まれるお見合いの話もすべて断っていた。
「傷つくと分かっていることを、やってみる人がいるかしら? 私にはお見合いをするなんて、自傷行為に思えるわ」というのが美沙子の言い分だった。
それに対して「それならせめて、すこしは外に出なさいな」というのが美沙子の母の口癖だった。美沙子は母の言うことももっともだと思うものの、外に出ろと言れれても、外出する用事もないしね、と箱入り娘の美沙子はのんびりしたものだった。
それまで美沙子には恋人がいなかった。そうかといって、お見合いをする気もまったくなかった。昔から自分に自信の持てない美沙子は、お見合いなどしても断られると決めつけていたのだ。だから持ち込まれるお見合いの話もすべて断っていた。
「傷つくと分かっていることを、やってみる人がいるかしら? 私にはお見合いをするなんて、自傷行為に思えるわ」というのが美沙子の言い分だった。
それに対して「それならせめて、すこしは外に出なさいな」というのが美沙子の母の口癖だった。美沙子は母の言うことももっともだと思うものの、外に出ろと言れれても、外出する用事もないしね、と箱入り娘の美沙子はのんびりしたものだった。