第12話 ミニ・ヒマワリ

文字数 978文字

◇◇ ミニ・ヒマワリ◇◇


ふた昔前、ミニ・ヒマワリを育てたことがある。
種の入った袋の写真によると、高さ20~30cmくらいとある。とてもかわいい。(写真:ポスト下)
種をまいて1週間ほどで子葉が出た。
ところが驚くべきことに、本来、双子葉類のはずなのに、子葉が3枚あるものが全体の1/4ほどあったのだ。
放射線でも浴びさせて遺伝子の突然変異体を作り出し、矮化させたものだろうか。
育った姿は、本当に、大きなものをそのまま小さくした姿だ。一丁前に、ヒマワリの葉をしている。
鉢に植え、家の玄関前の階段に置くと、玄関前が、パッと華やいだ。




和綿の栽培も、3年ほどやった。
どこから湧いてくるのか、まずはヤトウムシの被害にさらされた。
発芽して並んでいたはずの子葉が、一夜にしてすべて食われてしまい、茎だけが並んでいる――といった具合だ。
かろうじて生き残ったものを育てる。と、今度は、ハマキムシに、かなりやられた。
こうして生き残った苗の、なんと健気で、力強いことか。



花は、はじめクリーム・イエロー。夕刻にはピンクがさしてきて、えもいわれぬ色になる。
その柔らかな優しいシルクのような花弁の、麗しい色の変化に惹きつけられる。


また、実生のイチョウの苗をネットで購入したこともあった。
送ってくれたもののうち1本が、斑入りで、かつ、ラッパの葉をつけた。



ラッパの形状は、先祖返り説、突然変異説などがあるようだが、それの、かつ、斑入りである。かなり珍しいもののようだ。
これがもとで、かわった植物の栽培に興味を持った。

つぎに、5つ葉のクローバー。



他稿でも書いたが、とある牧場の片隅で見つけ、初夏、ランナーをのばす時期に、個体数を増やしてきたものだ。3つ葉、4つ葉との混成だが、5つ葉が多い。
5つ葉の花言葉は「財運」。もとより、わたしには無縁な話である。

それから、二段咲きオシロイバナ。
これも、他稿でふれたが、ラッパ状の花弁の根元の部分に、フリル状になった花弁が襟のようにとり巻いているものだ。



珍しいので、欲しがられるが、生命力が強く、しっかりした根を張り、多年草化している。やたらと増える。

そのほか、ムラサキ、カザグルマ、ベニバナなどいろいろ育てた。
しかし、妻のほうが、葉などの様子から健康状態を見てとるのが上手い。
なんといっても、植物と日々、会話しているようなのである。
私は、とうてい敵わない。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み