第15話 変な電話。

文字数 603文字

◇◇ 変な電話。 ◇◇


もう、ふた昔以上前のこと。正確な年は忘れたが、ともかく、ひな祭りの前日のことだった。
アパートの自室に電話がかかってきた。

(先方)「もしもし。」

 (私) 「はい。」

「こちら○○署ですが..」

 「はい..」

   あれ、俺、何か、したっけ?

 「..どのようなご用件で..」

「この番号は○○○○―○○〇○ですね。」

 「はい..」

「お名前は?」

 「○○です。」

   なんか、変だな..ふつう、名前から先に聞くんじゃないか?

「ご職業は?」

  「○○です..。どうか、されたんですか?」

「いや...」

 先方は、少し、言いよどんでから..

「議員先生のポケットのメモに、番号が..」

   (はあ?) 

「..いや、ありがとうございました。」

というなり、電話がプツンと切れた。



  これは、暇人の捜査ごっこか? 

  しかし、通話口のむこうに、人の気配もしたし...ホンモノ??

  国会議員が、ポケットにメモを残したまま、一時的に失踪したのか?

  うん、たしかに、サスペンス・ドラマなら、冒頭部分で、一般市民が事件に巻き込まれる、まさに、その場面だ。

  いやあ、困ったことになったぞ。俺は、善良な市民だし、ますますヤバイな..

  ――― 勝手に、妄想が膨らむ。


  しかし、その後、幸いにして、何も起きていない。

  いまだに謎。だれにも、これに類した経験があるのだろうか?


    (以上、実話です。ほんとうに。)





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