第25話 朝カフェへ、昼喫茶店へ

文字数 3,352文字

 喫茶店ウィークにしようと誓った今週である。
 第3話で休止中となっている「明日もきっとイマイチ」という小説の続きを書くには、どうしても喫茶店もしくはカフェと、コーヒーの知識が必要となる。第4話で出す予定のキャラが元探偵で現カフェ経営者という設定なのです……。だからカフェの雰囲気とか、店員さんの動きとかを観ておきたい。コーヒーの知識については本を読みまくっているところ、でもコーヒーの世界があまりにも深くて広いもんだから、まだまだお時間かかりそう。

 しかし先週は昼どきになるにつれ腹が減りまくり、結果ラーメンウィークとなってしまった。その反省より本日月曜は、朝から開いているカフェへ飛び込むことにした。30分ほど余裕あるし何とかなるでしょう。

 いつも出勤に使う道とは違う場所を歩く。ちょっと遠回りになるけど、確かこっちの方に……あった、あった。

 壊れたまま使い続けている傘をたたみ、自動ドアを開けて店内へ。左の傘立てに傘を置き、レジへ向かう。

 オリジナルブレンド:ベテルギウス、ベガ、ミモザ、アルタイル、シリウス。

「これは……ベガとかアルタイルって何ですか?」
「オリジナルブレンドでしたら、この表の下(上記の文だと右)へいくほど深く、苦みが強くなります」
「じゃあ……、このアルタイルってのでお願いします。あと、ホットサンドのベーコン&チーズというのもできますか?」
「もちろん、できますよ」

 注文を終え、壁にズラズラッと並んだ商品を眺める。頭上にテイスティングマップなる表が掲げられており、それぞれのブレンドが苦味、酸味、香りの強さでグループ分けされている。それらのブレンドコーヒー豆を袋売りしていて、自分好みのオリジナル焙煎ブレンド豆を作ってくれるシステムもあるようだ。ドリッパー、フィルター、ミル、ドリップケトルをまとめたコーヒー入門セットという商品もあった。その他タンブラーなどの関連商品。コーヒー好きには堪らんお店である。良き店に出逢えて、今日は幸せな日でござるよ。

 小さな丸く黒いテーブルの前、ダイニングスツールに腰掛ける。
 蒼を基調とした店内は落ち着いた風情で、静かにコーヒーを楽しむには良い環境だ。小説はこんな感じのカフェをイメージして書きたいかも。椅子は5脚ほどで、多分混んでいるとカウンターで立ち飲みになるのかな。コーヒー豆を売っていて、ホットサンドがあって……そうだ、こういう店が良いだろう。



 コーヒーが先に提供された。コーヒーの味やブレンド豆の産地などを示す小さなスタンドも共に置かれる。書かれた説明をふんふん頷きつつ読みながらひと口。おお、ハンドドリップ感。しっかりとした苦味と、若干の甘みと、続いて酸味が口の中に広がる。

 続いて、ベーコンとチーズのサンドが置かれた。



 トマトとピーマンも入っていて、目覚めの朝食として大満足。肉、チーズ、野菜、焼けたパンそれぞれの味が舌を喜ばせてくれる。噛んで飲み込んで、コーヒーを啜る。
 ……Good morning!!

 すいません取り乱しました。ロースト感そして苦味強めなコーヒーとパンは相性ピッタリだということが分かった。そうか、ピーマンの苦み、トマトの酸味、パンの甘みって、コーヒーの味の構成と似てるのかも。だからこの取り合わせはとっても美味いんだ。そうに違いない。ハイ確信。

 ゆっくり食べたかったけど我が身は通勤中ゆえ、あまり長居はできない。パクパク食べてコーヒーをしっかり味わって、ごちそうさまでした。

 コーヒーカップに店名がガッツリ入っているので、念のため訊いておく。

「あのすいません、ほっそぼそとWebでエッセイみたいなのを書いてるんですけど、写真付きでこの店のこと書いてもいいですか?」
「全然大丈夫ですよ。どうぞ」
「ありがとうございます。とても美味しかったです」

 ハンドドリップ中なのに邪魔してすいませんでした。ではでは。
 このお店、また来る絶対。次はカフェラテも飲んでみたいな。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 本日はこれで終わりではない。ランチも喫茶店に行くぞー。

 昼休憩になった瞬間素早く動き出し、できるだけ早足で目当ての喫茶店へ向かう。以前その喫茶店を訪れたことのある兄のアニィによれば、その店のエビフライサンドは注文されてから作るし、いつも混んでるから、時間に余裕をもって行った方が良いとのことだった。有名なお店だけれど初めて入る僕の胸は早鐘を打つ。

 お店に入ってすぐ「空いてる席へどうぞー」と言われ、空席を探す。四人掛けのテーブルは申し訳なくて、二人掛け席を探し出して座った。

 めっちゃくちゃ忙しそう。フロアスタッフも厨房スタッフも、なんかすごい速さで動き続けている。僕なら1時間でヘトヘトになりそうだ。店に入る前から希望の品は決まっているから、手を挙げてササッと注文する。まだ休憩時間は40分もある。例え20分ほどかけて提供されたとしても……それは厳しいか。うーん、まぁきっと大丈夫でしょ!

 待っている間、メニューをペラペラと捲って読む。
 ポークカツサンド、みそカツサンド、チキンカツサンドなども美味そう。サンドについては20種類近くのレパートリーがあるようだ。きっと全部制覇した人、いるんだろうな。モーニングセットはかなりお求めやすい価格、ということは朝も満席に近いんじゃないかと思われる。



 アイスコーヒーが置かれた。
 氷の入ったコップへセルフでホットコーヒーを注いで、そのあとミルクを入れるようメニュー表に書かれてる。ホットコーヒーに砂糖を入れるとウマイとも掲載されていたが、ミルクだけにしておいた。先週ラーメン食べすぎてちいと太った気がするのねん。



 こんな感じにアイスコーヒー出来上がり。
 エビフライサンドが来るまで、ストローでちびちびアイスコーヒーを飲みながら店内を観る。白い壁、茶色の木材で構成された壁、青いタイルが並べられた壁。柱やテーブルは茶色。椅子は赤色ファブリック。壁は所々が間接照明になっている。年季の入った店内には外国人さんがちらほら。お客さんの回転が速い。テーブルが空くとすぐにホールスタッフが片付ける。で、入ってきたお客さんはそこへ座る。その間、1分程度。常にほぼ満席状態が続く。

 ……って、スマホのメモアプリに入力していると、テーブル上にエビフライサンドのお出ましだ。ひと切れだけひっくり返して写真を撮る。



 うまそー。パンに挟まれた玉子焼きとエビフライとタルタルソース・カツソースとキャベツ。シンプルでありながらもギュッと各素材が凝縮されたような佇まいにワクワクする。

 両手でひと切れ持って、パクリと頬張る。
 うっま。こりゃ全国区やわ。非の打ち所のない味でござんす。
 エビがプリプリでカツはサクサク、タルタルソースの旨さとカツソースの甘じょっぱさにキャベツのシャキシャキ感。強い、強すぎる。これは金曜日に取っておくべきだったんだ。冒険を始めたばかりで最初の街にラスボスが居た気分。

 揚げたてなのか、エビフライはそこそこ熱い。熱いけど食べられるから、どんどんいってしまう。食欲が止まらないぞ。
 あっという間にふた切れ食べてしまい、アイスコーヒーを飲んで落ち着く。まだ時間はあるんだ、落ち着いて、最後のひと切れをゆっくり味わおうじゃないか。

 これ、パンじゃなくてご飯ならどうだろう。それでも美味しそうだけど、それだと単なるエビフライ定食なんだよな。この具材を焼いたパンで挟むからこそのオリジナリティというわけか。味のノーベル賞があったら受賞してそう。

 しっかり咀嚼して、エビフライサンドの味を脳に刻んで、食べ終えた。アイスコーヒーの残りをストローで吸い上げ、ランチは終了。水で口の中をさっぱりさせてフィニッシュです。

 割と時間が余ったので、明日はどこへ行こうかなんて考えながらちょいとブラブラする。でも今日、朝と昼でそこそこの食費を使ってしまったし、いきなりラスボスに遭遇してしまったし、どうしたもんかなぁ。

 ま、明日のことは明日考えますか。

【本日の出費】

 朝
 コーヒーと、ベーコン&チーズのホットサンド
 1,060円
 昼
 アイスコーヒーと、エビフライサンド
 1,580円

 計2,640円
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み