第6話

文字数 1,050文字

 神楽は、日本の神道の神事において、神に奉納する為に奏される歌舞で、シャーマニズとしての巫女が起源とされた歌舞だ。だがその意味合いを変え、現代に継承されている。
 雅楽や舞楽は、専門の演奏家によって伝承され、神社、寺院の団体や民間の演奏団体も増えているようで、最近ではネットで騒がれている人も多いようだ。
 雅楽とは日本はもとより、世界の中においても古い芸術音楽の一つで、平安時代に完成され、古の形を残しながら現在まで伝承されている、世界最古の〝オーケストラ〟と説明している文章も見受けられる。
 その雅楽だが、国風歌舞(くにぶりのうたまい)と大陸系の雅楽と謡物(うたいもの)とに分かれる。
 国風歌舞(くにぶりのうたまい)とは、日本古来の歌舞を基にしたもので、地方の神事に結びついて行われていたものが、宮廷に取り入れられ儀式や行事で演奏されていた。装束は簡素で舞振りも素朴だが、高雅で荘重なものだといわれている。その国風歌舞に神楽が属し、宮中で行われるのを御神楽(みかぐら)と呼ばれ、組曲の形式を取りその進行を担う、人長(じんちょう)によって舞われる曲なので人長舞とも呼ばれる。
 それと区別するように、一般の神社の祭りなどで奏される神楽を、里神楽(さとかぐら)と呼ばれ、我々が見る事ができるのは里神楽だ。
 この里神楽に属すのが巫女神楽で、他に採物神楽、能神楽、湯立神楽、獅子神楽と大別される。
 また雅楽には、大陸から伝来した楽舞をもとに日本で作られた、唐楽(とうがく)高麗楽(こまがく)とがある。
 中国、インド、南ベトナムの唐楽(とうがく)の左舞と、朝鮮、渤海の高麗楽(こまがく)の右舞とがあり、社寺でも伝統を受け継ぎ奉納する所もある。
 大陸系の楽舞は、大合奏やそれによる舞を楽しむもので、装束も派手で舞振りも華やかで、一般的に〝雅楽〟といえばコレを指している。
 また謡物(うたいもの)は、外来音楽を親しんだ貴族が、漢詩や和歌に、唐楽や高麗楽の旋律をつけて歌うもので、枕草子に出てくる催馬楽(さいばら)朗詠(ろうえい)と呼ばれ、現在では管弦の演奏の合間に歌われている。
 ………つまり、神……神託……巫女……舞……巫女舞と関連付けて来たが、どうやら巫女舞ではない()()()
 舞楽は普通、唐楽の左舞と、高麗楽の右舞を指していわれる。
 つまり〝舞〟であるが、友塚はご神託に固執して、シャーマニズに拘り、巫女を連想して巫女舞を導いてしまった。
 確かに〝舞〟はご神託だが、シャーマニズとしてご神託頂く、巫女は必要ないのかもしれない。

 ………ただ舞が見たいのか?……

 確かに舞楽を、神事として奉納する所も多い。
 巫女達に言われて向井は自分の神社に在る、雅楽の会に所属する鈴木に録画した映像を見せた。

 
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