研究施設の人気者!
文字数 2,159文字
ここは火の国ブレノスの国家機関の一つ『竜族の研究所』。
竜族における様々な生態と特異な能力を研究・解明し、
安全な活用法の確立によって社会的貢献を目指す組織である。
管理棟は部屋が多くて複雑なんです。
ミスした新人も悪いですが、直属の先輩としてちゃんと仕事が完了しているかチェックしなかった貴方にも責任があると思いますよ!
ともかく、リオはこれから実験でいくらか走り続けなければならないの。お腹が空いていたら十分な結果が出せないかもしれないじゃないですか。
ここは動物園ではないのですから、しっかりしてもらわないと困ります。
お話中にすみません。ミスをしたのは私なんです。
配給漏れが起こらないよう食札を確認しながら行っていた……つもりだったのですが、リオの食札だけいつの間にかなくなっていて……見落としてしまったんです。
リオには実験の予定があったのに、申し訳ありませんでした……!
(キュン)
はぁぁ~~なんだかなぁ。
うちの研究所の女性陣は男を見る目がないよ……。こんな舌の青い緑トカゲのどこが良いんだか。くっそぉお~~リオめぇぇ……。
大体、竜族はどいつもこいつも色がどギツくて気持ち悪いんだ。
なんですかその物言いは。
我々竜族の研究者にとって、リオは重要な存在です。
彼のDNAは草食種において原始的で、竜族の進化の歴史を辿るヒントになるかもしれない貴重なもの。これに近しい被検体は、今のところ発見されていないんですよ。
それに、ヒロさんは何故リオがモテるかより、何故自分が嫌われているのかを考えた方がよいのでは……!?
「なにが始まるの?」
「リオがなにかするって?」
「それは是非とも見なくっちゃー!」
「きゃあー!/////」
「リオ可愛いー!!/////」
「かっこいいー!!////」
「もう一回やってー!////」
女性職員達は盛り上がっている★
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