竜の世界へ里帰り!【後編】

文字数 7,631文字

ラダリェオやエバ、ユケイと別れ、

イナフはイルヴァを乗せて王国の地へと向かっていた。


飛膜にまとわる湿気た空気は山を越えると爽やかに変わり、鳥の群れと並走しながらイナフはしなやかに風を切っていった。


やがて景色が闇に落ちても、彼方に灯る地上の明かりが(しるべ)となって迷うことなく。



そうして、

城門の前に降り立ったのは夜が更けた頃だった。

……到着、っと。

ありがとう、イルヴァ。

急だったのにも関わらず、快く協力してくれて本当に助かったよ。


よかったらこの後一緒に……とも思ったけど、今夜は休んだ方がいいな。

オレは王国には入れないし、ゆっくり話すのはまた今度かな?

えっ、あ……

イナフはこれから何処へ??

んー……ラダリェオさんには睨まれちゃったからなぁ。

……竜界と人間界を自由に行き来できるようになったみたいだし、

この魔石に覚えさせる場所を探しにいくよ。

やっぱり洞窟とか、滝の裏とか、安全な場所がいいよね。

待ってくれ……!

オレはエミエル様に事後報告をしなければならないが、今は就寝なさっているはずだ。

明け方までは、まだ時間がある。

迷惑でなければ、その……オレの家に寄って行かないか?

そこで互いに一息つくのはどうだろう。

えっ、イルヴァの家!?

うわ~~気になる~~っ!

でもいいのか? 疲れてるんじゃあ……。

先程は少し取り乱したが、オレは平気だ。

……では気が変わらないうちに!

外部者監視の名目のもと、もう少しだけお付き合い願おうか。

……あ。念を押しておくけど、

住民手続きは絶対にしないからな?

(じろり)

……わかっている。

貴方の意志は尊重するつもりだ。

夜行性らが生活する、活気あふれる『(セノル)の街』。

光を帯びた植物が通りを明るく照らしている。


イルヴァの自宅へ向かう道中、

イナフは多くの視線を感じていた。

通り過ぎれば注目をさらい、すれ違えば振り返るのは、

なにやら女性が多いようで……?

んー……。

なんだか熱い視線を感じるな……。

やい、罪なイケメンめ!

手でも振ってあげたらどうなんだ?

(脇腹につん!)

いやいや、オレはこの道をよく通るから皆とは顔馴染みだ。

見知らぬイケメンがやって来たと、

イナフのことを見ているに違いない。

(肩につん!)

いやいやいや。

お前の方がイケメンだから。

(鎧につん)

いやいやいやいや。

貴方の方が何倍も。

(ほっぺにつん)

じゃれ合いながらゆくふたり。

それを見守る温かぁい目は、

言葉にせずとも伝わる同じ感情を抱いているのだった。


賑やかな通りを少し外れ、小川を渡った先にそれはあった。街の喧騒から離れた静けさのなか、水のせせらぎが心地よく。

大きな池を庭に持つ、二階建ての立派な家だ。


玄関に通されて圧巻。

照れくさそうなイルヴァの傍で、

イナフはその素敵☆空間に目を輝かせていた。

うわぁあ……!

とっても立派じゃないか! 家具も装飾品も凄くセンスがいいよ。

でもって生活感がないところ、性格が出てるな~。

フフッ、客を招いたのは久しぶりだ。

何もないところだが、どうぞ楽にしてくれ。

いま温かい飲み物を用意する。

色々と見て回ってもいいかな?

王国式の住宅に興味があるんだ。

ご自由にどうぞ。

自分で言うのもなんだが、オレもこの『家』が気に入っている。


竜族(イルディシミカ)には縄張りを持つという意識はあっても、家を建ててそこに生活に必要なものを揃える……という発想はなかったからな。新鮮だよ。


これはエミエル様が魔族と同盟を結ばれた際に、ジギ様からもたらされた文化なのだ。

魔族のなかでも鳥族や蟲族が塒作りを得意として、このように雨風がしのげる頑丈な家が普及した。

建材は主にヤシ、竹、石、土などだ。

なるほどー……。

あぁでも、お湯のでる蛇口とか、水が流れるトイレ、エアコンとかはさすがにないかぁ……。

ふむ、

それは一体なんだ?

(テーブルに温かいお茶と切り分けた果実を置く)

イナフは人間界で体験した様々なことを話した。

研究所でのこと、ユケイとの脱出劇、

人間が使う道具のあれこれ。そこでの竜族の情勢など。


溢れんばかりの話を、イルヴァも興味深々で聞いていた。


夢中で話しながらふと、イナフは懐かしいものを見つけた。

寄り添うように飾ってある、青と緑の2つの輝石。

うわぁ、これ覚えてるよ!

小さい頃、川原で一緒に集めた石だろう!? 

うむ!

もっといろんな色があったのだが、残っているのはそれだけだ。

あの時のイルヴァったら、

帰り道に石に躓いて、服の中に溜め込んでたやつ全部ぶちまけちゃってさぁ~。

それで大泣きしちゃって、周囲にあるもの全部凍らせちゃって。

いやぁ~~懐かしい~~。

あうぅ、そんな事まで覚えているとは;

……あの頃は己の能力を制御できず、ご迷惑をお掛けしました。

迷惑だなんて思ってないよ。

凄い能力じゃないか。

……昔のオレは気が弱くて、泣き虫で、

おまけにうっかり何でも凍らせてしまうときた。

反王国派の群れで孤立していたオレは、同世代の子供達からもバカにされる毎日だった……。


そんなオレを何度も庇ってくれたのは……イナフ、貴方だけでした。

体の大きい肉食種達を相手に、果敢に向かってゆくあの背中……。

とても大きく、頼もしく感じていたのを覚えている。

あぁー……なんかいたなぁ、そんな奴ら。

あいつらに今のイルヴァを見せてやりたいよ。

きっと圧倒されるだろうね。

その『あいつら』についてだが、

今は白薔薇騎士団の一員として、オレとともに国の防衛と秩序の維持に勤めているよ。

なんと副隊長は、あのレヴァンだ。

レヴァンって、ええ!?

確かそいつ、いじめっ子達のリーダーだった奴じゃないか!

二本の角を突きだして、やたらめったら突進してくる石頭!

彼ももう、昔のような悪ガキではない。

我が国が誇る優秀な戦士のひとりだ。

団長の座を争い、認めてもらうまで苦労はしたが……その関係も落ち着いた。

日々助けられているよ。

……そっかぁ。お前が苦労してないなら、よしとする。

いやでもアイツさぁ……今だからわかるんだけど、絶対お前のこと大好きだったよ。

オレ途中から、なにこのくだらない争いはって思ってたもん~。

……と、いうと?

一番印象に残ってるのは、ん~……。


「お前、イルヴァと名前の『イ』が一緒だからって調子に乗んなよ!?

オレなんて『ヴァ』が一緒なんだぞ!

お前は1音だけど、オレは2音なんだからなー!』


……って。

本当は仲良くしたいけど、恥ずかしいから意地悪してる感じだったな。あれは。

そういうの良くないよって散々言ったんだけどなぁ……。

(お茶を飲む)

は、はははっ;

そんなやり取りがあったとは。

嫌われているとばかり思っていたから、意外だな……;

(お茶を飲む)

昔話も一段落。

イナフが欠伸をしたのをきっかけに、

2階で少し休むとした。


螺旋階段を上がると、

落ち着いた寝室が広がっていた。

へぇ、2階は書斎と寝室なんだね。

ここも趣味がいいなぁ~~。

……あれ? ベッドが2つある。

さては彼女さんの……!?/////

ちっ、違う違うっ!;

それはお客様用なのだ。普段はソファーとして使っている。

オレはずっとひとり暮らしだ。

なぁんだ。

イルヴァなら余裕で子供までいると思ってたよ。

……はっ、さては仕事が忙しすぎてそれどころじゃないって感じ?

なぁ気になる子とかいないの?

……からかわないでくれ。


ところで、

ワープ?の場所を決めたら、その後はどうするのだ? どこで、誰と暮らす? 所属できる群れにあては?

ヨークラート族の貴方が、まさか単身で生きるつもりではあるまい。

んー……。

そうだなぁ、昔住んでた森を探してー……。

いい群れが見つかれば入れてもらいたいけどー……まだ何も考えてないよ。

……だったら、

オレの家に印をつけませんか?

えっ?

あまり大きな声では言えないが、

この家から一歩も出ないと約束してくれるなら、匿ってもいい。

外の世界で隠れながら生きるのであれば、オレの家に隠れるのも同じことだろう?

ここなら衣食住に困らないし、なにより安全だ。民の証である花の印も……刻まなくていい。


どうか、この提案を受け入れてくれ。

……お願いします。

(五体投地)

なに言ってんだよ~;

(五体投地をやめさせる)

もしバレたらお前がヤバいだろ? 騎士団長をクビになっても責任とれないよ?


……手、離して?

……嫌だ。

この手を離したら、貴方はまた何処かへ行ってしまうのではないか……。

(掴)

イルヴァ~~?

貴方が反王国派を去った時、オレはどんなに寂しかったことか!

また以前のように、貴方とともに暮らしたいのです! 迷惑でしょうか!?

オレでは、駄目ですか……!?

(掴る手に力がこもる)

……っ。

 

めっ!!!!

(デコピン / ペチィ!!)

はうー。。。

(離)

そんな心配しなくても、オレはいなくなったりしないよ。

だってオレ達親友だろー?

どこで暮らすか決めたら必ず教えるからさ、お前の時間さえよければいつでも会いに来てよ。

貴方にとってオレは、ただの親友ですか????

ん? 

あぁ、ただの親友じゃないな……。

オレ達はー……


超★親友だ!

(満面の笑顔 / バァーン)

ぐッはァ……!!!!

(倒)

だから何だよそのリアクションは; 

逆に傷つくじゃん。


……やっぱお前、疲れてるよ;

オレが肩もみしてあげるから、朝まで寝よう?

ほらほら装備外して! ベッドに横になって! お布団かぶってー!

あの手この手で落ち着かせ、

なんとかイルヴァを寝かせて一息。

イナフは自分の手首を見た。

(さっき)のやり取りで掴まれた手首が、軽い凍傷になっていた。

赤い手形がひりひりと、今も腕を掴んでいる。


反王国派にいた頃。

ラダリェオについてゆくと決めた時、

その時もイルヴァは凄く泣いていて、

氷の力が暴走したのを逃げるように別れたのを思い出した。


また孤立するのが嫌だという意味で泣いているのだと思っていた。


今のイルヴァには仲間がたくさんいるはずだ。

自分一人いなくても、その寂しさを埋める誰かがいるはずだ。

それが王国の決まりに背いてまで、引き留めるのは何故なのか。


まさかなと思い、

イナフは手形を袖で隠した。




―― 窓の外で鳥のさえずり

……おっはよ。

どう、ちょっとは疲れ取れた?

おはよう……ございます。

おかげで頭がスッキリした。

昨晩はやはり、どうかしていたようです。

忘れて下さい。

ん、気にすんな。

これから竜王のところへ行くのかい?

せっかくだから、オレも挨拶がてら寄って行こうかなぁ。

わかった。

ついてきてくれ。

妙に他人行儀なイルヴァに連れられ、

イナフは王宮にやってきた。

謁見の間に通されて、寝ぼけ顔の竜王の前へ。

イルヴァに続いてイナフも膝を折った。


エミエルは大きな欠伸を一つ。

積まれた苺を頬張りながら。

今朝ジギ☆ママが我の世話を焼きに来てな、そこで事の顛末は聞いた。

イルヴァ、我のかわゆい青薔薇よ。

魔王の課題に貢献したこと、

特に砂漠の薬草は喜ばれたぞ。

大義であった。

はっ!

ありがたきお言葉。

して、イナフよ。 

どうだ? 智と技が織り成す、広大かつ豊かな我が(くに)は。

無事に帰還を果たしたわけだが、お前も我の花として、この地に根付く気はないか?

この度はイルヴァを遣わせてくれて助かりました。

せっかくだけど、オレは外で暮らそうと思います。
……。
そうか。

解せぬが我は寛容な王なり。

気が変わったらいつでも訪ねて来るがよい。待っているぞ。

イナフ、オレはエミエル様と少し話がある。

悪いが謁見の間の外で待っていてくれないか。

なるべく手短に済ませようと思う。

わかった。

では竜王、失礼します。

ばいばいなりや~。
大きな二枚扉の外、

円状の廊下の端でイナフは壁にもたれていた。


そこへ近づく足音が、横切る手前でピタリと止まる。

イルヴァと同じ装備を纏った騎士団のひとり。

しかしどこかで見たような・・・

やあ……!

貴方はもしや、ィナフ……さん。

イナフさんでは!?;

あっ……!?

え、えーと……レヴァン、君……かな??;

(しどろもどろ)

なんとなんとー!

消息不明などと伝え聞いておりましたが、こうして無事に戻られたとは!

いやぁ、わたしも嬉しいなぁ。

(本当だ。イルヴァの言う通り、こいつも変わったんだなぁ……)

ありがとう。

色々あったけど、また会えて嬉しいよ。

キミも騎士団をやってるんだね。立派だよ。

いえ、私などは団長の足元にも。


それより、もう住民手続きはお済みですか?

花の印を刻む部位はお決まりで?

我が国で暮らすにあたって『花の印』はなにかと必要ですから、

すぐに見せられる手の甲などがオススメですよ!

住居は何処に? 割り当てられた仕事は? わからない事は御座いませんか?

ちょっ、ちょっと待った!;

……ごめん。せっかくだけど、王国で暮らすつもりはないんだ。

今は竜王と話をしてるイルヴァを待ってるところ。

それが終わったら、王国の出口まで送ってもらうんだ。

なっ……ええっ!?;

それについてイルヴァはなんと!?

王国に住むよう勧められたけど、断ったら諦めてくれたよ。

オレは王国の外で、イルヴァは王国で暮らすってだけで、

べつにお別れするわけじゃない。

……正気ですか?;

失礼ながら、貴方が外の世界で生きてゆけるとは思えません。

王国が誕生してからというもの、噂を聞いてやって来る者が後を絶ちません。

その殆どが草食種や非力な魔族達であり、我が国の8割を占めております。

獲物が減った外の世界では、肉食種達が血眼になっているという……。


これが今生の別れになりますよ。

それともまた、例の義父上に匿ってもらうおつもりですか?

……なるほど、今はそんな世界情勢なんだね。

肝に命じておくよ。

本当に、本当にお気持ちは変わらないのですか?

どうか私からもお願いします。

イルヴァの為にも、王国で暮らして下さい。

どうか。どうか!

(五体投地)

んー……それ騎士団あるあるなの?;

(五体投地をやめさせる)

(立ち上がって服の汚れをぱっぱとはらう)

はぁ~~~~……。

アンタ、相変わらずイカれてんなぁ。

いや、ロゴドランデス族に育てられただけに、救いようがないというべきか。

……なんだって?
……。

ロゴドランデス狩りの日、

愚かにもアンタは義父上を救わんとイルヴァのもとを去った。

おびただしい血の跡を残して消息不明。誰もが死んだと疑わなかった。

それでも捜し続けるイルヴァを見てられなかったよ。

周りが幸せを見つけてゆくなか、イルヴァだけがアンタを想い続けてた。

オレでは……駄目だった……。

それがこうして再会できたというのに、ともに暮らすことは出来ないと?

そっか……。

イルヴァには本当に心配をかけたんだな……。

でも、オレにはオレの譲れない考えがあるんだよ。

悪いけど意思はかわらない。

ではー……。

こういうのはどうだ?

不幸にもアンタは両足を失い……イルヴァに頼らざるを得なくなった。

イルヴァもアンタと暮らす願いが叶い……

ハッピーエンドだろう!?

(槍斧がギラリと光る)

あのさぁ……

イルヴァのことが大好きなのはわかるけど、

相変わらず歪んでるなぁ!

(身構える)

抉れる程に地面を蹴り、両者が一気に肉薄する。

二つの軌道がぶつかる先に、突如現れた闇の炎。

剛腕が振るう槍斧が、閃光の如く鋭い蹴りが、闇のバリアを激しく撃った。


突然のこと、

ジギはバリアの内側でキョトン。。。

……。

(……なんかいきなり斬られたし蹴られたんだが……;)

ま、ままっ……魔王よ!?;

そんな唐突に現れられては……;;;

誰がママ魔王だ!!
あ、いえ;;;;

舌がもつれただけで、

決してママなどとは;;;;

謁見の間が開かれて、

イルヴァとエミエルが駆けつけた。

何事だ!?
およよ?

どうしたジギ。忘れものかー?

(るんたった♪)

……ゴホン。

お前の部屋に出るつもりが、転送先を誤っただけだ。

邪魔したなァ……。

(暗黒のゲートを開く)

ぬ?

我の部屋にまだ用があるのか?

その小脇に抱えた大きな包みはなんだ??

クククッ……!

竜王様の下着(パンツ)を新調したからお届けにあがったのさァ。今からクローゼットに詰め込んでやるぜェェ……!

(ゲートの向こうへ消える)

なぬう!?

やめろぉ~~;

もう我のクローゼットはパンパンなり!

パンツなだけに~~~~;

(慌てて自分の部屋へ駆けてゆく)

なんだったんだ……;

(ポカーン)

イルヴァ、そいつが襲ってきたんだ!
なに……!?

どういう事だ、レヴァン。

話はあとで聞く。そこで待っていろ。


さぁ、イナフはこちらへ。

最寄りの門まで案内しよう。

待てよ!

……いいのか、イルヴァ!

彼は王国の民ではない。

一連の用が済んだのでお引き取り願うだけだ。

なにも問題はない。

…………。
立ち尽くすレヴァンを残し、

イナフとイルヴァは王国の城門へと。


山の()から出る陽に照らされ、改めて向かい合う。

ありがとう、イルヴァ。

オレはこれからエバさんにお礼をしに、西へ向かうよ。


……昨晩はたくさん話せて良かった。

迷惑かけちゃって、悪かったな;

いや、オレも久々に楽しかった。

あの……これ、よかったらお守りにどうぞ。

(緑の石を渡す)

これは……イルヴァの家に飾ってあった石?

(受け取ってまじまじと)

そうだ。

……古くから、石には想いの力が宿るという。

貴方が行方不明になってから、どうか無事であるようにと欠かさず祈りを込めていたのだ。

災難を退け、これからの旅がよいものとなるよう、願いを込めておいた。

……。

(魔石で緑の石に傷をつけ、それをイルヴァに返す)


はいこれ、もとの位置に戻しておいて。

もう一つの青い石が寂しがっちゃうからね。

今……なにを??;

人間界から竜界に移動する時、オレがピンチの時は、

イルヴァの家を拠点、兼、一時避難所にさせてもらおうかな。

図々しいのは分かってるけど……もう決めたから、よろしく!

ならば今日からこの石を肌身離さず持ち歩くが!?

あ、いや駄目だ。任務中や戦闘中に現れたら危ない;

ではやはり、家に置くしか……あぁ、なんという事だ!

食器やタオルや歯ブラシなど、色々ふたつ揃えなければ////// 

暮らさないよ!?;

一時的に来るだけ。長居はしない。騎士様の監視のもと、ね。

それならお前も違反にはならないだろー?

イナフ~~~~~~~~!!!!

(ぎゅ~~~~~~っ/抱)

わ~~~~こらこらこら;

みんなが見てるから;

何故か拝まれてるから一旦離れよ?; ねっ?;

(じたばた)

こうして、

イナフは竜界のワープ地点をイルヴァのおうちに決めたのだった。


晴れて自由となった身で、彼方の空へと飛び発ってゆく。


朝日に滲む小さな飛影を、

イルヴァはいつまでも見送っているのだった。




キリがないので(?)、!!

(ドコドンッ)

全身イラスト割愛につき、

おまけのプロフィール!!

【 レヴァン 】

性別:男

年齢:238歳

武器:槍斧

種族:竜族/肉食/走行型/タイラルド族


砂漠出身の力自慢の竜族。タイラルド族の男子には角がある。

気性が荒く、勇猛果敢。迷ったら体当たりする性分。

元反王国派のひとりであったが、今は竜王エミエルに忠誠を誓い、白薔薇騎士団の副隊長を務めている。

イルヴァを見るとちょっかいをかけたくなる。

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登場人物紹介

【 ユケイ 】

CRYSTAK CROSSの主人公。

ひょんな事から7つのクリスタルに封じられた記憶を取り戻すべく、翠と一緒に頑張る10歳児。

口癖は「ほーん」「~なんだよ」「~だよん」。

お化けが怖くて夜一人でトイレにいけない。

同年代や年下の前では頼もしいが、年上相手には甘えん坊になってしまう。

必殺技に変な名前をつけがち。

現実世界:エディ・ウィローシュ(10歳)

【 翠《すい》】

水のクリスタル所持者

ユケイ君が可愛すぎて毎日がハッピー☆

他のクリスタル所持者達を裏切りユケイの味方をしているが、色々とヒミツだらけ。

その姿はクリスタルの能力によってできた水の分身体であり、本体の所在は不明。

本の世界のルールについて、なにかと詳しいようだが……?

【 シバ 】

ユケイを利用して成り上がった、海賊船の船長。

銃の腕は超一流。

現実世界:シルヴァ・アディントン(16歳)

【 リズ】

無口で謎の多い竜族の女の子。

ユケイに執着しており、どこまでも追いかけてくる。

現実世界:リズリット・ローリー(10歳)

【イナフ】

竜族の研究所に囚われていた竜族の青年。

ユケイと共に研究所からの脱出を試みる。

身のこなしが素早く、足技が得意。

現実世界:イアン・ハイアット(16歳)

【エミエル】

光のクリスタル所持者

竜界の覇者であり、竜族達を束ねる王。

少女の姿をしているが2000年以上生きており、その正体は巨大な竜である。

魔王ジギとは仲良しこよし同盟を結んでいる。

好きな食べ物は苺。水が苦手で風呂嫌い。

【 ジギ 】

闇のクリスタル所持者

魔界の支配者であり、魔族達を従えている王。

闇の魔法を操る魔法使い。気付いたらエミエルのお世話を焼いている。

見た目の雰囲気に反して、可愛い小物やお菓子作りや裁縫が好き。

キュンは1日3度まで。4度目は死(?)に至る。

万姫《ワンヂェン》

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

千人斬りの異名を持つ。

元は風の国の第一皇女。全ては敬愛するボスの為に。

現実世界:王・深緑(ワン・シェンリュ)(17歳)

ヤグール

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

魔獣使いの異名を持つ。

万姫を気にかけている。

現実世界:ヤーコフ・スミス(44歳)

バル・ムワ

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

強欲の王の異名を持つ。

スー

竜族三姉妹の長女。

万姫のお世をしている竜族。

透視や近い未来を予言する能力をもっている。

現実世界:王・思颖(ワン・スーイン)(42歳)

【イルヴァ】

竜族の王国を守護する白薔薇騎士団の団長。

エミエルに絶対の忠誠を誓っている。

三度の飯よりイナフのことが好き。

超泣き虫。

現実世界:オリヴァー・イェリデン(15歳)

【 ラダリェオ 】

類まれな戦闘の才を持っているが、

残酷なことが嫌いな変わり者のロゴドランデス族。

セスとイナフにはめっぽう弱い。

わりとツンデレ。

現実世界:ランドルフ・ハイアット(38歳)

【 エバ 

人間界に生まれ竜界で育った、

砂漠に住まう力自慢の竜族。

マイブームはラダリェオと戦うこと。

現実世界:エマ・アシュバートン(36歳)

【 レヴァン 

砂漠出身の、力自慢の竜族。

白薔薇騎士団の副隊長。

元反王国派だったが、今はエミエルに忠誠を誓っている。

好戦的で猪突猛進。

なにかとイルヴァにつっかかる。

現実世界:レオン・タイラー(15歳)

【 エルク 

竜族の歌姫・アルテミシアの弟。

歌声に特殊能力を持ち、聞いた者の状態を操る。

豪華客船にて、窮地のところをユケイに救われ、固い友情が結ばれた。

リズとも仲良し。

現実世界:エリック・アンダーソン(10歳)

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