出たな!?三大海賊団!

文字数 4,954文字

はぁ~……。

なにやら治安に関わる悪いニュースが絶えませんねぇ~。

この穢れまくった世界でいたいけな少年を守り抜くことが出来るんでしょうか!?

翠ちゃん不安~……。

ねーーーぇ。

(つんつん)

そういう翠は清廉潔白なのー?

(つんつんつんつん)

潔白もなにも、この曇りなき(まなこ)をご覧あそばせ!

ほ~ら、信じるに値するでしょう?

一体どうして信じられると?

胡散臭いけど、翠だからまぁいっか。

ふっ。

相変わらず、お前の周りにはろくなヤツがいないらしいな。

ちょっとそこのチンピラ!

ユケイ君に近寄らないでもらえます!?

チンピラチンピラうるせぇんだよ!

お前の格好こそ穢れまくった世界を体現してるわ! このビッチ! 

ビッチじゃありません~~。

セクシーなんですぅ~~~。

んじゃあ俺のことはワイルドとでも言ってもらいてえな~!?

(睨み合うふたりを交互に見て)

へへっ♪

ニュースでは悪いことばっかだけど、

ここは平和って感じ!

ヒャーハハハハ!

ようやく見つけたヨ。赤い化物ちゃン……!

ほっほっほ。

皆さまご機嫌よう。

この声は……!

……どちら様でしたっけ。

(ガクッ!!)

しらばっくれてんじゃねーヨ!

因縁の相手だろーが、この道化!!

なっ!?

あれは『ネヴァサ』の海賊団!?

なんだってこんなところに。

おじさんもいるよ~ヽ(o´3`o)ノ
ほーん?

海賊団ってことは……悪い奴らー!?

……ああそうだ。

悪党ガチ勢ってやつだ。

貴方達もついこの間まで海賊だったでしょーが。
違うよ! あのねあのねっ、

海賊は海賊でも、オレ達は悪いヤツらをやっつける義賊なんだよ。

義賊は正義の味方だよ! 知らないのーん!?

ジロリンチョ……!
…………;

(目を逸らす)

海賊も義賊も同じギャングに変わりはなイ。

……なぁ赤い化物、そんなぬるま湯みたいな場所で燻ってていいのかイ?

銃も刃も毒も効かなイ。それでいて並み外れた戦闘能力を持っていル……。アンタの真価を発揮できるのはこちらの世界よりほかになイ!

今日こそネヴァサの戦闘奴隷なってもらうヨ!!

やーだよーん!

オレは良い子になりたいんだ!

良い子になって、サンタさんに来てもらうんだ!!

馬鹿だネェ……。

サンタなんかいねェーんだヨ!!!!

えっいないの(´・ω・`)
エッ?;
え?;
いるもん!

サンタさんは、ファーザークリスマスはいるんだもん!

お姉さんは悪い子だから会ったことがないだけだ!

悪い子だって捨てたもんじゃないヨ~?

年に一度と言わずに、欲しいものは欲しい時に、好きなだけ手に入れるのサ。

アンタにはそれが出来るんだヨ~?

私の目の前で誘惑するとはいい度胸。

そこへなおれ! 斬り捨ててくれる!

……まぁまぁ翠さん。

そう構えないで。

貴女の事はよ~く存じ上げておりますよぉ。

なんでも、毎日豪遊するため無条件で超溺愛してくれる超金持ちをお探しだとか……。

子供を渡して頂けたらば、その望みを叶えて差し上げましょう。


私の妻として!/////(ポッ)

はいーー!?;(ズコーーッ!!)

なんで私の野望を知ってるんです!?

いやそれより、例えどんなに金持ちでも貴方は論外です。

よってユケイ君はあげません!

なっ、何故です……!(ショック)
いいですかぁ。

私が結婚相手に求める最低条件は、

『無条件溺愛』

『超金持ち(高収入)』

『ハイスペック・イケメン』

ですから!

一つでも妥協する気はないんで、すみませんね!

あっ……(察)
はぁ……(察)
ちょいそこ!

なに苦虫を噛み潰したような顔してるんです!?

誰がなんと言おうと、翠ちゃんの未来は輝いてるんですよ!

とまぁ、こんな感じで婚期を逃したら翠はオレと結婚するんだ!

だからおじさんにはあげないよんっ!

ちなみにリズとシバとイナフもオレと結婚するから狙っちゃ駄目だよっ!?

お前にとって結婚ってなんなんだ!?;
ぐぬぬぬ……。

世界一の財力といっても過言ではない、このわたしの誘いを断るとは。

なんと強欲な娘……!


……だが、そこがいい。

ますます手に入れたくなりました。

や~ん。

翠ちゃんの美貌って罪~。

(ゾワゾワ~;)
ったく埒があかないネェ。

こうなりゃ実力行使だヨ!

(大剣を抜く)

まぁ待て、万姫(ワンヂェン)


おーい坊主。

こっちにくれば、もう勉強なんてしなくていいんだぞ。

日々の煩わしいものとはおさらばだ。

かっこいい必殺技を編み出しまくって、ばんばん試していいんだぞー?

ほーん……??

……なぁ、おじさんには分かんだよ。

お前の真っ赤な瞳のなかにゃあ、怒りと憎しみが渦巻いてる。

そいつが求めてるのは破壊と殺戮……だが、

そうする事で嫌われて独りぼっちになることを最も恐れてる。違うかい?


けどなぁ……良い子の首輪をつけたって、

お前が誰にも愛されないみんなの敵だって事実は変わらねぇのよ。

絶対に絶対に、絶対になぁ。


そんなお前を必要としてる場所がここにあるって言ってんだ。

素直に生きようや。

……別に、そんなこと。

思ってないもん……。

オレみんなのこと大好きだもん。

だから、誰かを傷つけるような戦い方はもうやめたんだ……!


オレは自分の弱さに勝ちたい!

本当の意味で強くなりたいんだよ!

でも、おじさん達は自分に負けちゃったんだね。

じゃあお手本にするわけにはいかないなっ!

へっ。

一丁前に言ってら。

……と、いうことですのでね。

ユケイ君は翠ちゃんとのラブラブ夢物語を謳歌する予定ですので、あなた達の味方にはならないんです。

いい加減、お引き取り願えますか。

(扇子刀を抜く)

うはははは!

……そんな甘っちょろいことが言ってられんのも今のうちってヤツだ。

いつか思い知るだろうよ。お前の居場所はこちら側にしかないんだってな。


おじさんは気長に待ってるからよぉ、

その気になったら遠慮なく声をかけてくれー?

あっかんべーーー!
ふむ……。

リサーチ不足でしたゆえ、また改めて参上すると致しましょう。

えっ、なにヨ。

二人とも引き下がる気?

来たばっかりで冗談じゃなイ。赤い化物を手に入れて、ボスに喜んでもらおうヨ!

駄目だ。

一旦出直すぞ。

なんでよせっかく見つけたのニ。

この場はアタシ一人で十分。力ずくでも連れていくヨ。

引き返すならお先にどうゾ~!

むむっ;

かかって来るなら容赦しないぞー!?;

(ひぇぇどうしよぅ。あのおねーさんめっちゃ強いんだよなぁ……;)
(ワン)!!!!!!


機会は必ずくる。

今回は挨拶で勘弁してやれ。

……。

…………。

………………チッ。


首を洗って待ってナ!(去)

それでは翠さん、また会う日まで。

グッバイ。

(ハンカチひらひら/去)

へっへっへ……。

またなぁ坊主ーー。

(去)

もう来ないでねー!!(手を振る)

ふぅ。何事もなく済んだか……。

どうやら犯罪組織にとって、ユケイの戦闘力は放っておけないらしいな。

まったく、頼もしいやら恐ろしいやら。

あーやだやだ。

なんなんですかアレ。

ユケイ君大丈夫? ちょっと震えてるみたいですけど……。

あのね、実はちょっと怖かったんだ。

でもでもっ言ってやったんだよ!

オレかっこよかった?

惚れちゃったー!?(ぐすん)

ふふっ。

はいはい、カッコいいんじゃないですか?

ところでユケイよぉ、お前は結婚を何だと思ってんだぁ?

ちょっと言ってみろ。

えっと、結婚は大好きな人と家族になること!

みんなでハッピーになることだよ!

だからって皆と結婚しようとすんな!;
でもあの人達はみんなのハッピーを壊したり、盗んだりしてるんだよね。

どんなに仲間がいっぱいでも、力が強くても、お金がいっぱいでも、そんなやり方じゃハッピーは手に入らないのにね。


前にね、魔王ジギが言ってた。ハッピーになりたくない奴なんて一人もいないはずだって。

あの人達は……ずっと気付かないままなのかな?

それってなんだか悲しいね。

あんな連中、どうだっていいです。

さぁ~帰ってご飯にでもしましょ~。

あっ、良いこと考えた!

オレが奴らの仲間になるんじゃなくて、奴らがオレの仲間になればいいんだよ。

ちゃんと話し合えば仲良くなれるかもしれないし、そしたら争うこともなくなると思うんだ。

我ながら名案。

却下。

現実世界でもね、ああいう類いの人達に関わったら駄目ですから。

わかってます? いや本当に。

……ほへほ~~ん。

(翠だって微妙に人のこと言えないクセに……)

なんかサラッと流されたが、魔王が言ってたってどういう事だ?

お前の人脈マジでどうなってんだ??

にっしっしー♪
一方、

ネヴァサのアジトにて。

おかえり万姫!

大丈夫? 怪我してない?

酷い目に遭ったりしなかった??

…………ただいマー。

別になにもなかったヨ。

ほんと、誰かさんのおかげでなーんの収穫もなかったヨー。

そうなの?

万姫ったら凄くイライラしてる。

言ってくれれば……私が解決しようか?

素敵女子達からの視線が熱いねぇ~////

なんだいなんだい、さっきから。

言いたい事あんなら言ってみろ。

はい、ご意見箱設置。

アタシはね、相手の力量くらい読めるつもりだヨ。

あの場は一人でやれたんダ。それなのに、なんで止めタ? 

赤い化け物を手に入れるのはボスからの命令なのに、意味わかんなイ。

あの坊主と一緒にいるボインな女……ただの人間じゃないと聞く。

お前の実力は確かだが、

情報も揃わねぇで敵に突っ込むなって、いつも言ってんだろ。


……ったく、(ワン)

お前はボスのためとなると、途端に鉄砲玉になりやがる。

おじさんの寿命を縮めないで。ねっ。

そうですぞ、万姫。

お前には『船長』であるという自覚が足りていないようだ。

体を張るのは下々の役目。

我々は安全地帯から事を遂行すればよいのです。

うるせェんだヨ……!!

大体ヤグール、テメェはアタシの父親気取りかア"ア"ン!?

ボスの望みを叶えるのがアタシの役目ダ。

その為なら自分の命なんかこれっぽっちも惜しくねェんだヨ……!!

わかったならイチイチ指図するのやめてよネ。

…………(盛大な溜息)。


万姫、お前あれだぞ。

オレの言うことが聞けねーってんならこっちにも考えがある(睨)

なーニー? 面白いネ。

聞かせてもらおうじゃないノ!?(睨)

はぁ……また始まりましたか。

毎度毎度、なんと美しくないやりとり。

付き合いきれないですぞ~~。

ふ、2人とも落ち着いて~……?;

(万姫とヤグールが喧嘩してるぅ……。

……素敵。殺し合いにならないかしら……♡)

いいか、そんな風に口答えするならなぁ……今後一切!

 モフ禁止だ!!!!

アア!?

モフ禁止だアア??!!

え~? もふってなんだろう~??

(あははは! なに言ってるの?

そんなわけのわからない事で万姫が納得するはずないじゃない。

万姫~、今日こそその汚らわしい男をブッ殺しちゃって~♪)

モフ禁止は…………、

モフ禁止だけはイヤぁぁ~……。。。

だっろ~?
はああっ!!!?(ズコーーッ!!)


……ご、ゴホン;

ねぇ万姫、もふって一体なんなの?

なにか弱みを握られてるとかじゃないよね??;

いや、それが何かはー……言えなイ。

とにかくモフがないと、定期的なモフがないと……その……困るんだヨ。

うははははは!

ほれほれ、どうすんだオイ。

それでもまだオレに逆らう気なら好きにしな~。

あぁ~~っもう、調子狂うネェ;

いくよ、スー。

後のことはヤグールに任せて、アタシらはお茶タイムにしヨ。

お菓子用意してちょーだイ。なんか無性に甘いものが食べたイ。

(去)

ええ~っ、もふって一体なんなの~?;

気になるから教えてよ~~;

ねぇ万姫ったら~~;

(追)


(な、なによそれ。なんなのよ!

私の知らない万姫の秘密があるだなんて……気持ち悪いッッ。

あんのクソ男ぉお絶対に許さない。許さない許さない許さないぃぃいい……!!!!)

はぁ……;

……よくもまぁ、あの強情で気難しい蛇娘を手懐けているものだ。

さすがは我が組織一の調教師といったところか。

それで結局、モフとはなんなのです?

単にモフモフとした感触の話ではあるまい?

へっへっへ、知りたいのかぁ?

残念だが万姫との約束でな、こればっかりは企業秘密だ。

ヒントはねぇ、オレが体を張ることだぁーーー//////

貴方が体を張って……モフ?

さっぱり分かりませんが、おおかた薬物かなにかなのでしょう?

では私も持ち場に戻ります。万姫のおもりは頼みましたよ。

貴方達といると疲れます。

(去)

へいよ。

バルたんまたなぁ~(手振り)


さぁーて、これから面白くなりそうだなぁオイ。

うははははははは!!!!

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登場人物紹介

【 ユケイ 】

CRYSTAK CROSSの主人公。

ひょんな事から7つのクリスタルに封じられた記憶を取り戻すべく、翠と一緒に頑張る10歳児。

口癖は「ほーん」「~なんだよ」「~だよん」。

お化けが怖くて夜一人でトイレにいけない。

同年代や年下の前では頼もしいが、年上相手には甘えん坊になってしまう。

必殺技に変な名前をつけがち。

現実世界:エディ・ウィローシュ(10歳)

【 翠《すい》】

水のクリスタル所持者

ユケイ君が可愛すぎて毎日がハッピー☆

他のクリスタル所持者達を裏切りユケイの味方をしているが、色々とヒミツだらけ。

その姿はクリスタルの能力によってできた水の分身体であり、本体の所在は不明。

本の世界のルールについて、なにかと詳しいようだが……?

【 シバ 】

ユケイを利用して成り上がった、海賊船の船長。

銃の腕は超一流。

現実世界:シルヴァ・アディントン(16歳)

【 リズ】

無口で謎の多い竜族の女の子。

ユケイに執着しており、どこまでも追いかけてくる。

現実世界:リズリット・ローリー(10歳)

【イナフ】

竜族の研究所に囚われていた竜族の青年。

ユケイと共に研究所からの脱出を試みる。

身のこなしが素早く、足技が得意。

現実世界:イアン・ハイアット(16歳)

【エミエル】

光のクリスタル所持者

竜界の覇者であり、竜族達を束ねる王。

少女の姿をしているが2000年以上生きており、その正体は巨大な竜である。

魔王ジギとは仲良しこよし同盟を結んでいる。

好きな食べ物は苺。水が苦手で風呂嫌い。

【 ジギ 】

闇のクリスタル所持者

魔界の支配者であり、魔族達を従えている王。

闇の魔法を操る魔法使い。気付いたらエミエルのお世話を焼いている。

見た目の雰囲気に反して、可愛い小物やお菓子作りや裁縫が好き。

キュンは1日3度まで。4度目は死(?)に至る。

万姫《ワンヂェン》

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

千人斬りの異名を持つ。

元は風の国の第一皇女。全ては敬愛するボスの為に。

現実世界:王・深緑(ワン・シェンリュ)(17歳)

ヤグール

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

魔獣使いの異名を持つ。

万姫を気にかけている。

現実世界:ヤーコフ・スミス(44歳)

バル・ムワ

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

強欲の王の異名を持つ。

スー

竜族三姉妹の長女。

万姫のお世をしている竜族。

透視や近い未来を予言する能力をもっている。

現実世界:王・思颖(ワン・スーイン)(42歳)

【イルヴァ】

竜族の王国を守護する白薔薇騎士団の団長。

エミエルに絶対の忠誠を誓っている。

三度の飯よりイナフのことが好き。

超泣き虫。

現実世界:オリヴァー・イェリデン(15歳)

【 ラダリェオ 】

類まれな戦闘の才を持っているが、

残酷なことが嫌いな変わり者のロゴドランデス族。

セスとイナフにはめっぽう弱い。

わりとツンデレ。

現実世界:ランドルフ・ハイアット(38歳)

【 エバ 

人間界に生まれ竜界で育った、

砂漠に住まう力自慢の竜族。

マイブームはラダリェオと戦うこと。

現実世界:エマ・アシュバートン(36歳)

【 レヴァン 

砂漠出身の、力自慢の竜族。

白薔薇騎士団の副隊長。

元反王国派だったが、今はエミエルに忠誠を誓っている。

好戦的で猪突猛進。

なにかとイルヴァにつっかかる。

現実世界:レオン・タイラー(15歳)

【 エルク 

竜族の歌姫・アルテミシアの弟。

歌声に特殊能力を持ち、聞いた者の状態を操る。

豪華客船にて、窮地のところをユケイに救われ、固い友情が結ばれた。

リズとも仲良し。

現実世界:エリック・アンダーソン(10歳)

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