秋の味覚を楽しもう!

文字数 1,883文字

―― さつま芋の日(10月13日)。


竜族達が暮らす『竜界』から、

魔物達が暮らす『魔界』へと。

竜界の覇者・竜王エミエルがやってきた。


目指すは樹海に抱かれた魔王城。

(魔王城といっても、その実態は何者にも開かれた"病院"なのだ!)


なにやら大荷物を抱えなすって!

(ドコドンッ☆)

ジギ~っ、見よ見よ見よ~~っ♪

我が国は今年も豊作なり。

特にさつま芋が元気いっぱい育ったのでな、おすそわけに来たぞ♪

……お、おォ?!

おおおおお~~~~~……!

ウチの連中は甘いものが好物だから嬉しいぜェ~……。

芋はまだまだあるからな。

我のかわゆい蟲達よ、足りなくなったら遠慮なく言うがよい。

ではでは、さらばである~。

あァ待て待て……!

手ぶらで帰すわけにはいかないぜェ。

傷に効く軟膏や解毒薬、麻酔薬なんかを包ませるから少し待ってくれないかァ?

……待っている間は、そうだなァ……さっき庭園で蟻達が落ち葉集めをしていたんだ。いくつか焼き芋にするから食っていけよォ……。

なんと!

お言葉に甘えてゆこうぞ!(よだれ)

クククク……♪

これで暫くは芋スイーツが楽しめるなァ……。

スイートポテトにプリン。蜂蜜漬けも捨てがたい。スープ、サラダ、旬のリンゴと煮てもいいな。

休憩室に置く分も兼ねて、たくさん作らないとだなァ~……♪

アレ()との相性も良さそうだ……(わくわく)

(ふふっ、ジギが笑顔なり……♪)

ほほう、城の休憩室にはお手製のオヤツがあるのか?

……まァな。

労うにもそれくらいの事しか出来ないが、部下達には感謝してもしきれねェぜ……。

お前の心はきっと伝わっているはずだ。これからも部下を大事にするがよい。

……それにしてもだ。毎日ジギのオヤツが食べられるとは羨ましい。

さつま芋と苺の夢の共演(コラボ)……。

苺を使う予定はないが……;
なぬーッ!? なぜ苺を使わぬのだ!

秋の味覚と苺は合うにきまっている! 

例えば、さつま芋と苺の玉子煮込み、香草炒め、炙り焼き! さつま芋と苺のー……!

とりあえず苺から離れなァア~~;; 

まったく……お前が考える料理は一瞬『 ン” ?? 』となるが、やりようによっては美味くなりそうなんだよなァ~……。

オレ様の探求心をくすぐるぜェ……。

そうであろう、そうであろ~う♪

我はジギが作ったさつま芋と苺のスイーツが食べたいぞ?

新作が出来たらいつでも呼ぶがよい!

へいよ……覚えてたらなァ……。

おっと、焼けたようだぜェ。

ふーふーして喰いなァ……。

ふわぁあああ!! あつあつなり!!♪ 

もぐもぐもぐっ! はぐはぐはぐっ!!

オイィ~……!;

あんまりがっつくなよォ……また喉に詰まらせるぞ。

うまうまなり! 

うまうまなりや~~~~♪♪♪

よかったなァ……ククク。

……ン? なにをモジモジしている。

……う。

お腹がちょっと、張ってきた……ぞ。

もう満腹なのかァ……?

お前にしては少食だなァ。

そうではない。そうでゎ…… 。

∑ わ、我の近くに寄らないほうが……!

はァ……??
ふあぁぁ……///// 

抗いの余地なし////

…………。

こ、こりゃーっ!

おならぷーは健全である! 自然現象である! 恥ずかしい事ではないのだ!!////////(パタパタパタ)

…………。

そ、そんなに臭ったのか……?;

すまんかった……。

お話し中に失礼致します。

わたくしは城の案内役を務めております、ホタル蛾と申します。

……ジギ様より、さつま芋の御礼の品をお持ちしました。どうぞ、お納め下さいませ。

う、うむ。

お前達の作る薬は確かであるからな、こちらとしても有り難い。

……ところで、ジギが固まってしまったのだが;

…………。

……?

あぁ、これは『キュン死』に御座いますね(´-`)

きゅん死!?

はい。

一時的に気を失っているだけですので、ご心配には及びません。

暫くすればお気づきになられるかと。

ならばよいが……。

ジギは何故、突然きゅん死を?

……説明しましょう。

ジギ様は大変『キュン』に弱く、一日のうちに耐えられるキュンは3度まで。

キュンとなるポイントはご本人のみぞ知るところですが、4度目ともなるとこの通り、仮死してしまうので御座います。これすなわち……キュン()

……と、我々はこの状態をそう呼んでおります。

なお、一度の大きなキュンで至る場合も御座います。


エミエル様と一緒にいる時の、ジギ様あるあるなのです。

ようわからんが、なにかの病気でないことは確かなのだな?

おーい、ジギ~。戻って来るがよい。

ジ~ギ~~?(つんつん)

…………。
ジギ~、我は帰るなり~。

ばいばいなりや~。

見送りの言葉はないのか~??

…………。
(一度、医師に診せた方がよいのでは……)
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登場人物紹介

【 ユケイ 】

CRYSTAK CROSSの主人公。

ひょんな事から7つのクリスタルに封じられた記憶を取り戻すべく、翠と一緒に頑張る10歳児。

口癖は「ほーん」「~なんだよ」「~だよん」。

お化けが怖くて夜一人でトイレにいけない。

同年代や年下の前では頼もしいが、年上相手には甘えん坊になってしまう。

必殺技に変な名前をつけがち。

現実世界:エディ・ウィローシュ(10歳)

【 翠《すい》】

水のクリスタル所持者

ユケイ君が可愛すぎて毎日がハッピー☆

他のクリスタル所持者達を裏切りユケイの味方をしているが、色々とヒミツだらけ。

その姿はクリスタルの能力によってできた水の分身体であり、本体の所在は不明。

本の世界のルールについて、なにかと詳しいようだが……?

【 シバ 】

ユケイを利用して成り上がった、海賊船の船長。

銃の腕は超一流。

現実世界:シルヴァ・アディントン(16歳)

【 リズ】

無口で謎の多い竜族の女の子。

ユケイに執着しており、どこまでも追いかけてくる。

現実世界:リズリット・ローリー(10歳)

【イナフ】

竜族の研究所に囚われていた竜族の青年。

ユケイと共に研究所からの脱出を試みる。

身のこなしが素早く、足技が得意。

現実世界:イアン・ハイアット(16歳)

【エミエル】

光のクリスタル所持者

竜界の覇者であり、竜族達を束ねる王。

少女の姿をしているが2000年以上生きており、その正体は巨大な竜である。

魔王ジギとは仲良しこよし同盟を結んでいる。

好きな食べ物は苺。水が苦手で風呂嫌い。

【 ジギ 】

闇のクリスタル所持者

魔界の支配者であり、魔族達を従えている王。

闇の魔法を操る魔法使い。気付いたらエミエルのお世話を焼いている。

見た目の雰囲気に反して、可愛い小物やお菓子作りや裁縫が好き。

キュンは1日3度まで。4度目は死(?)に至る。

万姫《ワンヂェン》

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

千人斬りの異名を持つ。

元は風の国の第一皇女。全ては敬愛するボスの為に。

現実世界:王・深緑(ワン・シェンリュ)(17歳)

ヤグール

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

魔獣使いの異名を持つ。

万姫を気にかけている。

現実世界:ヤーコフ・スミス(44歳)

バル・ムワ

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

強欲の王の異名を持つ。

スー

竜族三姉妹の長女。

万姫のお世をしている竜族。

透視や近い未来を予言する能力をもっている。

現実世界:王・思颖(ワン・スーイン)(42歳)

【イルヴァ】

竜族の王国を守護する白薔薇騎士団の団長。

エミエルに絶対の忠誠を誓っている。

三度の飯よりイナフのことが好き。

超泣き虫。

現実世界:オリヴァー・イェリデン(15歳)

【 ラダリェオ 】

類まれな戦闘の才を持っているが、

残酷なことが嫌いな変わり者のロゴドランデス族。

セスとイナフにはめっぽう弱い。

わりとツンデレ。

現実世界:ランドルフ・ハイアット(38歳)

【 エバ 

人間界に生まれ竜界で育った、

砂漠に住まう力自慢の竜族。

マイブームはラダリェオと戦うこと。

現実世界:エマ・アシュバートン(36歳)

【 レヴァン 

砂漠出身の、力自慢の竜族。

白薔薇騎士団の副隊長。

元反王国派だったが、今はエミエルに忠誠を誓っている。

好戦的で猪突猛進。

なにかとイルヴァにつっかかる。

現実世界:レオン・タイラー(15歳)

【 エルク 

竜族の歌姫・アルテミシアの弟。

歌声に特殊能力を持ち、聞いた者の状態を操る。

豪華客船にて、窮地のところをユケイに救われ、固い友情が結ばれた。

リズとも仲良し。

現実世界:エリック・アンダーソン(10歳)

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