ユケイ君にもサンタは来るのか?!【後編】

文字数 4,706文字

12月25日、クリスマスの朝。

ユケイが起きるとそこに翠はいなかった。


※一部、絵が古いです(/ω\)※

うわぁああああん!!

翠のバカァァァアーーーーー!!

クリスマスは一緒に過ごすって約束したじゃーん!!

クリマスマスツリーを一緒に飾って、ケーキを作って、沢山遊んで、夜はご馳走って約束したのにぃぃいい~~~!!

(地団駄)

翠の嘘でいっぱいお魚マン……。

約束やぶる翠なんか、もー大大大大っ嫌いなんだよ! うんこ!

……。

(背後からユケイの頭なでなで)

∑リズ、いつの間にそこに!?

聞いてよ。せっかくのクリスマスなのに、翠がまーーーーーたどっか行っちゃったんだ……。

冷蔵庫の中はレトルトばっかだし、あんまりだよ。

……ゎたし、

ゅけぃと……ぁそぶ……。

(ファイティングポーズ)

リズが遊んでくれんの?

やったーー!!

じゃあリズ、一緒にテレビゲームしよ!

……。

(コントローラーを握ったまま固まっている)

やっぱゲームはやめて、部屋の中でかくれんぼしよ!

リズ隠れるの得意だもんね?

まずはオレが鬼をやるよ。

いーち、にー、さー…………

……。

(棒立ち)

……よし、一緒に映画でも見よう!

(リズを抱えてテレビの前へ)

……♪

(るん↑)

ねーねー、リズは何して遊びたい?

リクエスト受付中だよっ!

(映画鑑賞中)

……ゅけぃと、ぃっしょ……に、

ぃたぃ……だけ……♪

(ユケイ鑑賞中)

そっか~/////

オレもリズと一緒にいたいから、大きくなったら結婚しようね!

翠は姑にはさせないから安心してね!

(ぎゅっ)

……♡

(ぎゅっ)

★☆★ユケイはリズと

楽しい映画鑑賞の時間を過ごした★☆★

あーあー映画見終わっちゃった~。

リズ~、一緒にクリスマスツリーでも飾ろ~。

はい、これリズの分ね!(手渡し)

……。

(飾りを持ったまま棒立ち)

よーし、リズは『見守る係』ね!

オレが飾るから、気が向いたら手伝って欲しいな。

でもうーん……この量は、一人じゃ時間かかりそうだなぁー……。

やぁ。人間(ルルト)は冬になるとモミの樹を飾ってワイワイ騒ぐんだって?

んー……何だか面白そうだから、オレも参加させてよ。

あっ、イナフ!

いつの間にいたの? てゆーかリズといい、2人とも何処から入ったの?

まぁいいや。今からクリスマスツリーを飾るところなんだ。イナフも一緒にやろうよ!

是非手伝うよ。

どうしたらいいのか、教えてくれ。

ツリーにまんべんなく飾りをつけていくんだよ!

カラー豆電球もくるくる巻いていくよ~ん!

(やって見せる)

へー……この飾り、一つ一つが凄く細かくできてる。人間(ルルト)は本当に手先が器用だ。

オレは綿を雪に見立てて乗せていこうかな。

リズー!

オレのデコレーションセンスはどんな感じー??

……。

(親指を立てる)
最後にてっぺんにお星さまを乗せるんだよ!

うんしょ、うんしょ……手が届かない~~っ。

イナフ~、星のっけて~。

最後の仕上げはユケイがやりなよ。

ほら、抱っこしてあげる。

(ユケイの両脇を持ち上げる)

できたっ!

これでライトアップして、と。

わ~い、完成なんだよ~!

★☆★ユケイはリズとイナフと一緒に、

クリスマスツリーを完成させた★☆★

なんか働いたら(?)お腹空いてきたぁ。

ってゆーか、今日の夕ご飯はツリーを見ながらレトルトかぁ……

テンション下がるなぁ……。

何か作ってみるのはどう?

食材ならあるみたいだし。

オレ料理とかよく分かんないんだよ……

(シュン)

ククク……お困りかなァ?

掃除に洗濯、お裁縫。1日3食50品目!

家事・行事のお悩みはこのオレ様に任せるがいいぜェ……。

……誰がママだ!(ノリツッコミ)

ジギー!

またまたいつの間に!?;

今日はおかしいなぁ~部屋の鍵はかけてるハズなのに、三度も侵入を許している……。

さてはどこかに秘密の通路があるなー!?

今夜はクリスマス・イブ……。

詳しくは知らないが、よい子を愛でるイベントだとエミエルが言っていた……。

ならば孤児院の子供達ついでに、小さな勇者様にも特別な夕食を作ってやろう……!

まじで!? やった~~~!!

(びょんぴょん)

オレ手伝うよ! イナフとリズはお客さんだから、ゆっくりしててねん!

勇者と魔王が仲良しなの、なんかいいね(笑)

じゃあお言葉に甘えて、くつろぎながら料理ができるのを待とうかな。

……。

(ユケイの隣に立っている)

オレ様の調べによると、クリスマスに相応しいメニューは……


『スモークチキン』

『野菜たっぷりのシチュー』

『エッグキッシュ』

『カプレーゼサラダ』

『イチゴのケーキ』


……ってところか。

うひょー!

聞いただけでヨダレがでちゃう……!

そこのキッチンを借りるぜェ……。

(暗黒のゲートから食材を召還)

まずは……オレ様が野菜の皮を剥くから、お前はそれを食べやすい大きさに切ってくれ。

(手際よく皮を剥いてゆく)

みてみてリズ~、オレ切るの上手い?

これくらいの大きさだったら、リズも食べられるかなぁ?

(次々とカットしてゆく)

……。

(深々と頷く)

……下準備が終わったら、次は調味料を用意してゆくぜェ。

今から言うものを計って混ぜ合わせてくれ……。

えーっと、

これとこれをよく混ぜて……っと。

(適切な分量でできている)

……サラダで大切なのは3つのC、

Clean☆Cold☆Crispyだ……!

そして綺麗に見える盛付けはこう。

中央を高くして、軽く、こんもりと……!

(やって見せる)

新鮮で、冷たくて、シャキシャキ感……っと。

(ジギを真似て盛付ける)

ケーキのスポンジ生地を作るぜェ……。

ダマが残らないよう、よくかき混ぜてくれ……。力任せにやって空気を入れないようになァ。

おりゃ~~~りゃりゃりゃりゃ!!

おいしくなれなれトルネ~ド!!

(動きは激しいが、意外と丁寧)

……最後に火入れだ。

火力は食材と調理法によって使い分けなければならない。

今回のメニューならば中火~弱火が適している。

火を切ったあとの余熱も火入れのうちだと考えてくれ……。

いざ……点火!

なるほど。

シチューとかは弱火でゆっくりグツグツが基本なんだね。そうすれば具を崩さずに味が染み込むし、お鍋の底も焦げないのかー。

(お鍋のなかを観察中)

ふむ……手際がいいし理解も早い。

意外だなァ……。

★☆★ユケイはジギのアシスタントとなって、

豪華な夕飯を完成させた!★☆★

ふぅ……、

お星さまが見えるね。

時間が経つのは早いなぁ。

わあ凄い!

どれもこれも美味しそうだ。

素敵な食卓になったね。

……♪

(ひそやかに小躍り)

……待たせたなァ。

ローストチキンが焼けたぜェ……♪

(湯気の中からカラメル色のチキンが登場)

ぐああああ!

もう待ちきれないんだよ!

いっただっきまーす!!!!

ご馳走になりまーす♪

4人で夕食を囲い、

ケーキを食べる前にはクリスマスの唄を歌った。

ぐ、ぐふぅ……;

ちょっと食べ過ぎちゃった……。

でも今日はとっても楽しかったよ♪

毎日がクリスマスだったらいいのにな~。

みんな、今日はどうもありが……あれ?

いつの間にか、

ユケイは部屋に一人だった。

リズー?

イナフー?

ジギー?

……みんな隠れてんのー?(探)

しかし3人は何処にもいない。

なんだよぅ、みんな黙って帰ってくなんて。ちょっと寂しいなぁ。

でもでも、本当に楽しかった。いっぱい笑ったんだよ!

翠なんかいなくても全然よゆーだったね~~。

ふぁぁ……お腹いっぱいになったら眠くなってきたぁ。

ユケイはお風呂に入って歯を磨き、

寝支度を済ませてベッドに入った。



―― 深夜。

あーあ、翠遅いな~……。

今日のこと自慢してやろーと思ったのになーん。

重要な用事ってなんなんだろー。オレとのクリスマスより大事な用なのー?

……チェッ。

もう寝なきゃ。

寝ないとサンタさん来ないもんね。

サンタさん、オレのとこにも来てくれるかなぁ? お手紙読んでくれたかなぁ??

わりと早寝早起きしてるし、学習ドリルも毎日やってるし、

オレ……めっちゃ、がん……ばって…………Zzzz(スヤァ)

ユケイが寝静まった頃。

部屋のドアが音もなく開かれた。

やれやれ、色々と暗躍していたら遅くなってしまいました。

ふふ……ユケイ君は良い子で過ごしていたみたいですね。ちょっぴり可哀想な事をしました……。

なので今宵はセクシーサンタ☆翠ちゃんがプレゼントを……って。

……ハッ!?;
……ハッ!?;

いやいやいや。

何ですか貴方、ユケイ君を夜這いしに来た不審者ですかね。しばくぞ。

(小声)

お前こそ、夜遊びからのこのこ帰ってきた分際で偉そうにするな。

ユケイは悪い子だからどーせサンタなんか来ねぇ。俺はそんな哀れなガキに何か持ってきてやっただけだ。

(小声)

その必要はありません。

第一ユケイ君は良い子ですし、プレゼントだって私が用意したもので十分です。

(小声)

フン。

お前はユケイの欲しいものを分かっちゃいねぇ。ユケイは俺のプレゼントの方を気に入る。絶対にだ。

(小声)

うぎぎぎ……。

このチンピラめ……。

(小声/睨)

ぐぬぬぬ……。

うるせぇこのビッチが。

(小声)

う~ん……むにゃり。

(寝返り)

…………。

貴方、退く気はないんですか?

(小声)

ああ、ねぇな。

当然だろ、ユケイは俺の所有物なんだからな。

(小声)

私だって退く気はないですね。

……よろしい、ならば戦争です。

貴方とは今夜で決着を付けようと思います。

(小声)

望むところだ。

この際ハッキリさせようや。

どっちがユケイの相棒に相応しいのかをなぁ。

(小声)

翠とシバはクリスマスツリーの足元にそっとプレゼントを置き、

静かに表に出た。

そしてユケイ君を起こさないように、

とても静かに戦うのだった。




そんな事とは露知らず、ユケイは夢を見ていた。

サンタに扮した翠と一緒に、

お世話になったみんなにクリスマスプレゼントを配りにいく夢だ。

みんな、いつもありがとーーーっ!!

―― 翌朝。
ユケイくーん!

朝ですよ~? 起きて起きて~。

うーん……むにゃむにゃ。

あっ、翠! 帰ってきたんだね。

用事は終わったのー?

おかげさまでね。

ねぇ、見て下さい!

ツリーの下に何かありますよー!?

ほ!? …………わーーー!!!! プレゼントだー!!!! サンタさんが来たんだー!!!!

しかも2個もあるーー!! やったやったー!! オレ超良い子だから2倍なんだね?!

(ベッドの上で飛び跳ねる)

調子に乗るんじゃありませんっ!;

さーて何が入ってるのかな~?

さっそく開けてみたらどうですか?

うんっ! まずはこの黄色いリボンの箱からね。

……あっ! 瓶の中にいろんな種類のスルメが入ってる~~! イカの食べ比べだ~~!

サンタさんオレの好きな食べ物知ってんだね♪

ふぅーーーーん。(棒)

……ごほん。

じゃあその青いリボンの箱は~?

こっちはね~、あーーっ!!

ニン●ンドース●ッチとブレ●イだー!

オレ、プレ●テ5が欲しいって書いたんだけどな。

でも、こっちも嬉しい!!

よかったですね~♪

おや? ……ユケイ君、枕元にも何かあるみたいですよ?

ほーん?

あっ、お手紙だ。

サンタよりって、書いてある……!

ファーザークリスマスからオレにお手紙……!!

よい子のユケイ君へ


メリークリスマス!

おバカなキミの事は、いつも見ているよ。

助けてもらうことは、恥ずかしいことじゃない。キミは一人じゃないんだ。

強くなろうと頑張っている姿こそが、

いつも助けてくれる人へのお礼になっているはずだよ。


でも、ちょっぴり頑張り過ぎかな?

おバカ故の猪突猛進だね。

バカがバカなりにバカ頑張っているのはとても素敵な事だけど、無理は禁物。


これからもキミを見守っているよ。

ちなみにプレ●テ5は抽選にハズれました。

ザンネン☆


サンタより

このサンタめっちゃオレの事バカバカ言ってくるな。

でもサンタさんは、頑張っているユケイ君をいつも見ているよって。

良かったですね★

……うんっ♪
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登場人物紹介

【 ユケイ 】

CRYSTAK CROSSの主人公。

ひょんな事から7つのクリスタルに封じられた記憶を取り戻すべく、翠と一緒に頑張る10歳児。

口癖は「ほーん」「~なんだよ」「~だよん」。

お化けが怖くて夜一人でトイレにいけない。

同年代や年下の前では頼もしいが、年上相手には甘えん坊になってしまう。

必殺技に変な名前をつけがち。

現実世界:エディ・ウィローシュ(10歳)

【 翠《すい》】

水のクリスタル所持者

ユケイ君が可愛すぎて毎日がハッピー☆

他のクリスタル所持者達を裏切りユケイの味方をしているが、色々とヒミツだらけ。

その姿はクリスタルの能力によってできた水の分身体であり、本体の所在は不明。

本の世界のルールについて、なにかと詳しいようだが……?

【 シバ 】

ユケイを利用して成り上がった、海賊船の船長。

銃の腕は超一流。

現実世界:シルヴァ・アディントン(16歳)

【 リズ】

無口で謎の多い竜族の女の子。

ユケイに執着しており、どこまでも追いかけてくる。

現実世界:リズリット・ローリー(10歳)

【イナフ】

竜族の研究所に囚われていた竜族の青年。

ユケイと共に研究所からの脱出を試みる。

身のこなしが素早く、足技が得意。

現実世界:イアン・ハイアット(16歳)

【エミエル】

光のクリスタル所持者

竜界の覇者であり、竜族達を束ねる王。

少女の姿をしているが2000年以上生きており、その正体は巨大な竜である。

魔王ジギとは仲良しこよし同盟を結んでいる。

好きな食べ物は苺。水が苦手で風呂嫌い。

【 ジギ 】

闇のクリスタル所持者

魔界の支配者であり、魔族達を従えている王。

闇の魔法を操る魔法使い。気付いたらエミエルのお世話を焼いている。

見た目の雰囲気に反して、可愛い小物やお菓子作りや裁縫が好き。

キュンは1日3度まで。4度目は死(?)に至る。

万姫《ワンヂェン》

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

千人斬りの異名を持つ。

元は風の国の第一皇女。全ては敬愛するボスの為に。

現実世界:王・深緑(ワン・シェンリュ)(17歳)

ヤグール

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

魔獣使いの異名を持つ。

万姫を気にかけている。

現実世界:ヤーコフ・スミス(44歳)

バル・ムワ

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

強欲の王の異名を持つ。

スー

竜族三姉妹の長女。

万姫のお世をしている竜族。

透視や近い未来を予言する能力をもっている。

現実世界:王・思颖(ワン・スーイン)(42歳)

【イルヴァ】

竜族の王国を守護する白薔薇騎士団の団長。

エミエルに絶対の忠誠を誓っている。

三度の飯よりイナフのことが好き。

超泣き虫。

現実世界:オリヴァー・イェリデン(15歳)

【 ラダリェオ 】

類まれな戦闘の才を持っているが、

残酷なことが嫌いな変わり者のロゴドランデス族。

セスとイナフにはめっぽう弱い。

わりとツンデレ。

現実世界:ランドルフ・ハイアット(38歳)

【 エバ 

人間界に生まれ竜界で育った、

砂漠に住まう力自慢の竜族。

マイブームはラダリェオと戦うこと。

現実世界:エマ・アシュバートン(36歳)

【 レヴァン 

砂漠出身の、力自慢の竜族。

白薔薇騎士団の副隊長。

元反王国派だったが、今はエミエルに忠誠を誓っている。

好戦的で猪突猛進。

なにかとイルヴァにつっかかる。

現実世界:レオン・タイラー(15歳)

【 エルク 

竜族の歌姫・アルテミシアの弟。

歌声に特殊能力を持ち、聞いた者の状態を操る。

豪華客船にて、窮地のところをユケイに救われ、固い友情が結ばれた。

リズとも仲良し。

現実世界:エリック・アンダーソン(10歳)

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