第7話 「しおり」
文字数 1,087文字
── 17:30 昇降口 ──
雛川は香奈に近づき耳元で秘密を言った。
次の瞬間、雛川の秘密に驚いた香奈は言葉を失う──。
雛川は手に持っている本【四つ葉のしおり】3巻を香奈に見せた。
香奈は突然言われた雛川の話に驚く。
それでも冷静に話を続ける──。
戸惑いを隠せない香奈は、
ただその場に立ち尽くすしかなかった。
雛川は香奈の様子を見た後、そっと昇降口を去っていく──。
香奈は去っていく雛川の左腕の袖を掴む。
香奈はブレザーの左ポケットから雛川の”あじさい柄のしおり”を渡した。
そっと振り返る雛川は右手を差し伸ばし、しおりを受け取る。
雛川は”あじさい柄のしおり”をブレザーの右ポケットにしまい、
カバンから香奈の”四つ葉のクローバーのしおり”が挟んであった本を渡した。
香奈はそっと手を差し伸ばし本を受け取る。
雛川は傘をさして校舎を出る──。
下を向いて四つ葉のクローバーのしおりを見つめる香奈。
── 21:00 香奈の家 ──
香奈はベットの上でスマホをいじっている。
画面には雛川について話している美穂とのLINEのやりとりがうつっている。
香奈は電気を消して寝ようとする。
ウチはこのまま雛川さんの事を好きでいていいのか…
実は妹だったなんてまだ信じられない。
そして雛川が大切にしている本ってどんな本なのか気になる…
香奈は目をつぶりながらいろいろと考える──。