第1話 「落し物」

文字数 1,425文字

それは、学校での出来事──。 


うちは高校2年生の「桃井 香奈(ももい かな)」 本が大好きでいつも学校の教室で読んで過ごしている。

新学期が始まりクラス替えも行い、みんなは元気で活気が溢れたクラスになっている。

私の席は窓側の後ろの方で特等席と言っていいほどの場所。

本を読むには一番いい席だ。


10分間の休憩も終わり、担任の先生が教室に入ってきた…

"ガラガラガラッッッ…"
よ〜し、席に座れ!!

ホームルームを始めるぞ!

うちの学校では毎朝ホームルームを行っている。
新学期が始まり学年も上がった!

クラス替えもしたから今日は委員会を決めていく!

まずは、生徒会から決める!誰かやりたいやつはいないか!?

私、やります!!!
ええっ!?

冴島(さえじま)さんが…!? 

昔からずっとやりたいって思ってて…

文化祭とか決めたりするの面白そうだな〜って!!!

よし!

んじゃあ他にやりたい奴がいなかったら冴島でいいな?

彼女の名前は「冴島 美穂(さえじま みほ)」 去年の冬に転校してきた女の子

うちと同じクラスではなかったから、ほぼ初めまして。

好奇心旺盛でちょっぴり天然な子


うちの前に座っていたから立候補してビックリした。

んじゃ次は図書委員を決めるか…

誰かやりたい奴いないか!?

ねぇ、ねぇ…桃井さん!

図書委員やってみたら!? ほらっ!本好きそうだし…

えぇ〜、でもそういうの苦手だし…

恥ずかしいよ〜

冴島は後ろを振り返って桃井に話しかけ図書委員を進めた。  
先生!!!

桃井さんが図書委員やりたいって言ってます!!!

おおっ!? なんだ?

桃井、図書委員に興味があるのか!?

ちょっ… 冴島さんってば…

そんな事、言ってないって〜!!!

よ〜し!

なら、図書委員は桃井で決まりだな!!!

そんな〜…
へへっ…

よろしくね! 桃井さん!!!

すると、先生は黒板に図書委員 「桃井 香奈」と書き

新学期早々、冴島さんの推薦により うちは図書委員になってしまった。


朝のホームルームが終わり休み時間

うちはトイレに行きたくなったので教室を去った──。


ねぇ、ねぇ! 桃井さん!!!

ホームルームの時はゴメンね! 急に図書委員に推薦しちゃって!

あっ…冴島さん!

うんうん! 別にそんなに気にしてないから大丈夫だよ!

でも、急にきたからビックリしちゃった…

ゴメン! ゴメン!

そういえば、自己紹介遅れちゃったね…

私は、冴島美穂!みほって呼んでね!!!

うちは、桃井香奈!

こちらこそよろしくね!!!

可愛い名前…かなちゃん!って呼ぶね!!! よろしく!

これから音楽の授業だから一緒に行こう!!

2人は廊下を仲良く歩きながら3階にある音楽室へと向かう。

すると、目の前に高身長の男の子がいる。

階段の方へ向かって行くのを冴島が目撃した──。

ええっ!? 後ろ姿しか見えないけどあの高身長は誰!?

違うクラスの人かな?

ねぇ、ちょっと顔を見に行ってみようよ!!!

ちょっ…待って! みほちゃん!!!

やめとこうよ先輩だったらどうするの!?

美穂は香奈の左腕を掴み小走りで男の子の方へと向かった。
あっ…右に曲がった!!

早く行かないと見失ってしまう…

もう〜ちょっと!!

早いって〜!!!

2人は急いで階段の方へと向かい曲がり角を右へ曲がった時には男の子はいなかった…
あぁ〜 見失ってしまったか〜

んもぉ〜…また会えるかな〜

ふぅ…

いなくなっちゃったか〜


んん!?

なにこれ…

香奈は走った勢いで疲れてしまい下を向きながら呼吸をした。

すると…何か見つけたようだ。

んん!?

なにそれ…。


つづく
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登場人物紹介

本が大好きで不器用な性格の高校二年生「桃井 香奈(ももい かな)」

突如、図書委員に任命される。

図書室でミステリー小説を毎回借りにくる先輩「雛川 海斗(ひなかわ かいと)」

おとなしい性格で真面目だ。

彼には『とある秘密』がある──。

去年の冬に転校してきた女の子「冴島 美穂(さえじま みほ)」 

今年、桃井香奈と同じクラスになり生徒会をしている。

好奇心旺盛でちょっぴり天然な子

桃井香奈と同じクラスで担任の先生をしている。

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