第5話 「告白」
文字数 1,204文字
香奈は図書室でいつも通り本の整理をしている。
すると──。
受付の前に雛川が現れた。
慌てて香奈は周りを見渡し手に持っていたセロテープを置き本を受け取る。
雛川は四つ葉のしおりの3巻の表紙を見ながら右手で本を撫でる──。
雛川は裏面にある図書カードの返却日に明日の日付を記入し図書室を後にした──。
── 翌日 ──
お昼が過ぎ数学の授業が始まっている。
美穂はスマホを取り出しメモ機能でメッセージを残し、香奈にスマホを渡した。
スマホを受け取った香奈は困った表情をするも先生の方を見て、
すかさずメモ機能にメッセージを入力し美穂の肩を2回叩いたあとスマホを渡した。
美穂はスマホを受け取り、驚いた表情でスマホを顔に近づけ小さい声で独り言を言った。
独り言に気が付いた先生は美穂の近くへ向かった──。
先生は美穂に注意したあと教卓へと戻った。
美穂は後ろを振り向き香奈に謝った──。
── 16:30 屋上 ──
香奈は本を読みながら屋上にあるベンチに座っている。
すると雛川が【四つ葉のしおり】3巻を手に持った状態でやってきた。
香奈はそっと立ち上がり雛川の方へ近づく──。
香奈が【四つ葉のしおり】3巻に挟んだ手紙とは…
"放課後、16:30に屋上に来てください。"と一言書かれた紙だった。
ウチ…今、ヤバいかも…
心臓が張り裂けそうなくらい緊張している…
ここで伝えていいんだよね…
今しかないんだよね…
香奈は自問自答している。
美穂が言っていた、
"ここでいかないなら、いついくのよ?タイミングは明日しかないって…!"
と言う言葉を思い出しけじめをつけた──。
香奈は雛川の言葉を聞き、泣くのを我慢しながら走って屋上を後にした。
【四つ葉のしおり】3巻を眺める雛川──。
そして香奈がベンチに置き忘れた本を見つけ手に取る。
すると、しおりが挟んでいるのに気がつき雛川はそのページを開く。
そこには、白色の紙に四つ葉のクローバーで作られたしおりがあった──。
つづく