第15話 「母」
文字数 1,340文字
── 21:00 病院 ──
香奈は病室のベットで横になっている。
守と美穂は香奈の近くで様子を伺っている──。
刻々と時間が過ぎていき病室の時計の秒針とバイタルセンサーの音だけが
病室を淡々とさせる──。
美穂は病室を出ていき自販機がある場所へ向かった。
すると、守は香奈の微々たる目の動きに気づいた。
香奈は守の方へ頭を向けた。
守は突然の香奈の発言に驚き言葉が出なかった──。
── 幼稚園児の頃のフラッシュバック──
香奈は兄である雛川の誕生日パーティーに向けて準備をしている。
すると庭の方から男の子の叫び声がする──。
守は庭で靴を脱いで部屋に入っていった。
香奈と守は協力して飾り付けを行った──。
守はテーブルの角に小指をぶつけてしまった。
香奈は2階へ向かった──。
香奈は絆創膏を探しにお母さんの寝室へと入り、タンスを開いて絆創膏を見つける。
香奈はお母さんが寝ているベットを振り返った──。
香奈は少しづつ、そっとお母さんが寝ているベットへ近づく。
香奈は布団をそっとはがす──。
香奈は大声で叫んだ。
香奈の大声に気がついた守は、
小指の怪我を我慢しながら急いで階段を走り2階へと向かった──。
守は勢いよくお母さんの寝室の扉を開け入った。
すると香奈は、守の方を見て涙ぐんだ表情で話しかけた──。
守はその場で立ちすくみ言葉を失う──。
つづく