第11話 台風襲来②

文字数 2,280文字

 まさかこうも立て続けに台風の襲撃を受けることになろうとは……。

 前回の11号は、幸いにもわが家は被害を受けることもなく無事にやり過ごすことができました。
 (職場では倉庫代わりのプレハブ小屋の屋根が吹き飛んでしまったようで、現在も行方不明のままです。そのあと新しく屋根を設置したばかりなのに、今回の台風でまた飛んでいったかもしれません……)

 ニュースでも散々注意喚起をされていましたが、910hpaという猛烈な台風が直撃するという恐ろしい予報に今度こそマジで震えあがりました。
 どうあがいても、山口県は直撃コースでしたので。

 現在は台風は通過したのか、あれほど吹き荒れていた暴風もピタッと治まり、雨も、降ったとしても普通の降り方に落ち着いてきました。

 昨日は閉店まで仕事の予定でしたが、出勤した時点で経営者と話をし、お昼過ぎで店じまいをして早めに帰宅することになりました。
 わたしが職場を出たときは、午後3時頃でしたが、それまでは嵐の前の静けさとばかりに不穏な生暖かい風が吹いていただけだったのに、みるみるうちに急に雨が降りはじめたと思ったら傘を差すのも難儀するほどの暴風に。
 呆然としつつも、意を決して暴風雨のなかびしょ濡れになりながらもなんとか無事に帰宅。
 停電に備えて、まず早めにお風呂をすませて洗濯。浴室乾燥で乾かすあいだに掃除機をかけて、買い置きしてあった冷凍食品で早めの晩ごはん。
 洗濯ものが乾いてから、断水に備えて浴槽に水を溜めて、それが終わったのが夜9時前。

 外は暴風雨が吹き荒れていました。

 いま振り返ってみると、鹿児島のあたりに上陸したくらいの頃がもっとも暴風雨がひどかったように思います。
 まだあんなに離れているのに、この暴風雨。
 接近してきたらマジで家飛ぶんじゃ? と本気で怖かったです。
 実際、そのあと何度も風圧で窓ガラスが割れるんじゃないかとビクビクしまくりでした。雨戸はついていないし、家は木造建築なのでミシミシいっているし。

 910とか930hpaで台風が接近・上陸した地域の方々は、どんなにか恐ろしい思いをされただろうと想像するだけで泣けてくるほどです……。

 普段、家ではテレビを観ることもなく、最近はラジオを聴くこともすっかりなくなっていたのですが、停電時の情報収集のため携帯ラジオとランタンを用意。
 いつもは寝室&私室の窓際で寝ているので、万が一のことを考えて、布団ごと居間へと移動。こちらだと窓から離れたところに布団を敷けるので。

 突然の寝床の引っ越しに、猫たちがざわついていました。
 ごめんよ。緊急事態なんよ。

 電気が点いているあいだは布団に寝転んで本を読み、いつの間にかそのまま寝落ちしていたようで、ふと目を覚ましたときには、あたりは真っ暗で蒸し暑く。
 停電していました。
 外が明るくなるまではどうしようもないので、ラジオを聴きながら布団でゴロゴロ。
 このものすごい暴風雨の音のなか、よく寝られたな、とわれながら驚きです(苦笑)

 そのあとは、ちょくちょくこちらにも書き込んでいましたが、停電は5時間ほどで復旧し、現在もライフラインは通常どおり使える状態です。
 ありがたや~(泣)

 まだ外には出ていないので外部の状況はわかりませんが、物干し竿や自転車は屋内にしまっておいたので、なにかがなくなったり故障していたり、ということはないだろうと思います。

 接近してくるまでが恐ろしく長い(足が遅い)台風で、ずっと緊張状態を強いられるので(しかも威力がすさまじい)、わたし個人の経験上ではこれまででいちばん嫌な台風です。
 前回書いた、忘れもしない1991年の台風のあの恐怖がまざまざと蘇りました。体感的には、あの台風よりも今回のほうが怖かったです。

 停電しただけですんだというのが奇跡のように思えます。しかもこんなに早く復旧するなんて。最低でも2、3日はライフラインが断たれるかも、と予想していたので。


 ネットの台風情報やTwitterを見てみると、九州の同じ県内でも被害が大きいところとそうでないところがあるようで(地理的な要因もありますから、そうなるのは不思議ではないのかもしれませんが)、あまり影響がなかった地域の方が、
「大したことなかった」
「気象庁、大げさ」
 みたいな意見を書き込まれていて、このひとたちには想像力というものがないのかしら? とつい思ってしまいました。
 たとえ自分は大丈夫でも、そうではないひともいる、ということに考えが及ばないのでしょうか。

 気象庁や専門家の方々が、
「今回の台風マジでヤバい」(意訳)
「命を守る行動を」
 と口を酸っぱくして注意をうながしてくださったことに感謝しています。
 事前にしっかり対策と心の準備ができていたおかげで、なんとか台風をやり過ごすことができたと思っています。
 用心に越したことはありません。

 台風襲来に備えて急遽イベントを中止したり、早めに営業時間を切り上げたり終日閉店という選択をされた主催者や企業の上層部の方々は、多くの命を守るための英断だったと思います。
 それぞれの立場にそれぞれの事情があって、見えている世界は異なるのかもしれませんが、非常時に最優先すべきはなにか、という一点に()いては、守るべきものは同じなのではないかと思うのです。

 台風14号はだいぶ衰えつつあるようですが、引き続き、みなさまもどうぞお気をつけください。


 最後になりましたが、今回の台風で被害に遭われた方々、そして台湾で発生した大きな地震により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

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