第5話 鼻から・・

文字数 933文字

次男が年少の頃。幼稚園に行くようになり少し手が離れてきてやれやれ、と思っていました。
あるとき、遊びから帰ってきた次男がやたらと鼻をいじっています。
「お鼻出るの?」
と聞くと
「ううん。ちがう」
でも、夕飯が終わった後もいじっているので
「どうしたの?」
と聞くと
「取れないの。」
「何が?」
「ビービ-ダン」
「ええ!?ちょっと見せて!」
次男を寝かせて鼻を覗き込むと
ビービーダンがすっぽりハマっています。反対側の穴を押さえて
「ふ~ん!ふ~んして!」
おもいっきり鼻をかませると幸いスポッと取れました。
「いい?ビービーダンなんかお鼻に入れちゃだめよ。なんで入れたの?」
「入るかなぁ~て思って」
「・・・」
子どもって・・・と思いながら
鼻にものを入れないように注意しました。

それからしばらくした頃。
その当時長男が鼻炎で毎週耳鼻科に通っていました。その日は、次男も鼻がぐすぐすしていたのでついでに診てもらうことにしました。
「2,3日前から鼻がぐすぐすしているので
ちょっと診ていただこうと思いまして。」
「鼻のほかになにか症状はありますか?セキとかくしゃみとか出ますか?」
そういいながら診察を始めた先生が
「お母さん、鼻に何か入ってますねぇ」
と笑いながら言いました。
「え?」
先生がピンセットで取り出したのは、なんと小さく丸められたバンドエイドでした。
「・・やだ・・」
びっくりするやらあきれるやらで声も出ませんでした。

これが3日、いや、もしかしたらもっと前から次男の鼻の中に・・?

特に炎症などは起きていませんでしたが、危ないところでした。冷や汗 をかきながらその日耳鼻科をあとにしたのでした。

これで終わりかというと・・・いえいえ、我が家の次男坊はそんなに甘くないのです 。
それからまたしばらくして、今度は風邪で耳鼻科にかかっていました。症状が落ち着いてきていたのでそろそろ耳鼻科通いも終わりかな、と思っていた日。診察の際に今度は鼻から消しゴムのかけらが。。診察室は笑いの渦でした。

その都度注意はしてきたものの、普通の注意ではコヤツには通用しないと思い
「お鼻の中になんでも入れるとお鼻腐っちゃうんだよ」
とおどかしました。
そのせいかどうかわかりませんが、それ以後次男の鼻から変なものは出てこなくなりました。




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