第１１話：秀夫の早期退職とＭＭ２１へ引っ越し
文字数 2,050文字
リーマン・ブラザーズはアメリカで第四位の大手証券会社でしたが、負債総額は６１３０億ドル「約６０兆円」という莫大なものでした。しかしベアー・スターンズのときと同じようにリーマン・ブラザーズも、アメリカの代表的な銀行や証券会社に買収され危機を乗り切るかと思われていましたが、結局のところ買収は見送られた。
アメリカ政府が公的資金を投入するなどの救済策を講じないと発表した影響も大きいのですが、何よりリーマン・ブラザーズの抱え込んだ負債が途方もない大きさだったからです。サブプライムローンで損害を被った金融機関はリスクを恐れずレバレッジ※を何十倍もかけて金融商品を売っていた。レバレッジとは、取引する金融機関に証拠金を預け自己資本の数倍から数十倍の金額の取引をする事。
例えば１００万円の証拠金を預け、１０倍のレバレッジをかければ１千万円の取引が行えます。リーマンショック時には、多くの金融機関が３０倍～４０倍のレバレッジをかけていたといいます。中身のない金融商品で、大きく儲けようとした結果だったのです。
世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、「デリバティブは殺傷力の高い危険な武器である」とかねてより注意する様に話していた。つまり、大きな利益を期待できる反面リスクも大きく判断を間違えば資本金を大きく損なう危険もあるわけです。実際には、サブプライムローンにあまり関係していなかった日本は影響が少ないと言われていた。
しかし影響が少ないどころか、リーマンショック後３年半近くもの長い間、日経平均株価が低迷するほど深刻な不況に陥った。1ドル１０４円で取引されていた為替レートが、２００８年１２月には８７円まで円が買われ急激な円高にシフトした。そのせいで日本の輸出産業は大打撃を受けリーマンショックに直接関係していないにもかかわらず日本市場も大暴落した。
円高が進むと輸出産業が大損するので、日経平均株価も引きずられるように株価を下げてしまう。日本の株価が輸出産業で保たれているという証拠でもある。日本市場が低迷しているさなか、最もダメージを受けた当事国であるにもかかわらずアメリカは経済危機をうまく脱し順調に株価を回復した。移民が多く少子化問題のないアメリカは、ＧＤＰも順調に推移し経済危機を脱する条件がそろっていた。
またリーマンショック後、アメリカ経済はＦＲＢ議長のベン・バーナンキがリーダーシップをとったことで、いつまでも不況が長引くことがなかった。ベン・バーナンキはデフレ克服のため、「ヘリコプターからお金をばら撒くように」豪快に、あらゆる債券や証券を買いまくりました。またドルの希少価値が薄まってドル安が進むよう、刷れるだけのドルを刷りまくった。
こうして２００８年が明けた。６月８日、秋葉原通り魔事件が発生した。６月１４日、東京メトロ副都心線が開業した。日本で岩手・宮城内陸地震が起こった。９月１５日、アメリカでリーマンショックと起こり、当初、日本の金融機関では、アメリカのＭＢＳ「モーゲージ債」やＣＤＯ「債務担保証券」をほとんどもっといないので安心していた。
１０月初旬、樋口秀夫の勤めるＮ社で、早期退職の応募が始まり定年１０年前の５０歳で早期退職が、最大、通常の退職金の２倍となし、その後、１ねんん毎に退職金上乗せが１０％ずつ減り、６０歳で１００％、通常通りになると言うリストラ案を社員に提示した。それを知った樋口秀夫と奥さん貞子さんが、すぐさま早期退職に応募した。
その結果、樋口秀夫が通常退職金２０００万円が、４０００万円、奥さんの通常退職金１６００万円が３２００万円となる事が判明し２００８年１２月のボーナスをもらった後、退職した。この頃、予想に反して、リーマン・ショック直後の２００８年１０月末、日経平均株価はバブル後よりもひどい２６年ぶりの安値水準を記録した。
また、世界的な大不況を受けて、自動車関連などの製造業を中心に非正規雇用者が解雇される「派遣切り」が社会問題化した。１０月、日本人としては史上最多の４人「アメリカ国籍１人含む」がノーベル賞を受賞した。南部陽一郎・益川敏英・小林誠が日本出身者で初となる３人同時によるノーベル物理学賞を受賞し、下村脩がノーベル化学賞を受賞した。
１０月２８日、早朝、樋口兄弟に証券会社の担当者から電話で、リーマンショックのせいか優良株が軒並み値を下げてると言われた。そこで、今朝、キーエンス株が、１３９３０円と安くなっているから買いと言われ４千株ずつ樋口兄弟が成り行き買い注文を出すと５５７２万円で買え残金が１３５１６万円となった。この頃、日本株も暴落し日経平均株価が２６年ぶりに７０００円を割り６９９４円となった。
この頃、みらとみらいの海が見えるマンションで賃貸物件が出始めた。そこで、兄の樋口秀夫がＭＭタワー２２階、３ＬＤＫ、８３平米を月３５万円、弟の樋口昭二が、２ＬＤＫ、７４平米を月２７万円で借りることにし引っ越した。
アメリカ政府が公的資金を投入するなどの救済策を講じないと発表した影響も大きいのですが、何よりリーマン・ブラザーズの抱え込んだ負債が途方もない大きさだったからです。サブプライムローンで損害を被った金融機関はリスクを恐れずレバレッジ※を何十倍もかけて金融商品を売っていた。レバレッジとは、取引する金融機関に証拠金を預け自己資本の数倍から数十倍の金額の取引をする事。
例えば１００万円の証拠金を預け、１０倍のレバレッジをかければ１千万円の取引が行えます。リーマンショック時には、多くの金融機関が３０倍～４０倍のレバレッジをかけていたといいます。中身のない金融商品で、大きく儲けようとした結果だったのです。
世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、「デリバティブは殺傷力の高い危険な武器である」とかねてより注意する様に話していた。つまり、大きな利益を期待できる反面リスクも大きく判断を間違えば資本金を大きく損なう危険もあるわけです。実際には、サブプライムローンにあまり関係していなかった日本は影響が少ないと言われていた。
しかし影響が少ないどころか、リーマンショック後３年半近くもの長い間、日経平均株価が低迷するほど深刻な不況に陥った。1ドル１０４円で取引されていた為替レートが、２００８年１２月には８７円まで円が買われ急激な円高にシフトした。そのせいで日本の輸出産業は大打撃を受けリーマンショックに直接関係していないにもかかわらず日本市場も大暴落した。
円高が進むと輸出産業が大損するので、日経平均株価も引きずられるように株価を下げてしまう。日本の株価が輸出産業で保たれているという証拠でもある。日本市場が低迷しているさなか、最もダメージを受けた当事国であるにもかかわらずアメリカは経済危機をうまく脱し順調に株価を回復した。移民が多く少子化問題のないアメリカは、ＧＤＰも順調に推移し経済危機を脱する条件がそろっていた。
またリーマンショック後、アメリカ経済はＦＲＢ議長のベン・バーナンキがリーダーシップをとったことで、いつまでも不況が長引くことがなかった。ベン・バーナンキはデフレ克服のため、「ヘリコプターからお金をばら撒くように」豪快に、あらゆる債券や証券を買いまくりました。またドルの希少価値が薄まってドル安が進むよう、刷れるだけのドルを刷りまくった。
こうして２００８年が明けた。６月８日、秋葉原通り魔事件が発生した。６月１４日、東京メトロ副都心線が開業した。日本で岩手・宮城内陸地震が起こった。９月１５日、アメリカでリーマンショックと起こり、当初、日本の金融機関では、アメリカのＭＢＳ「モーゲージ債」やＣＤＯ「債務担保証券」をほとんどもっといないので安心していた。
１０月初旬、樋口秀夫の勤めるＮ社で、早期退職の応募が始まり定年１０年前の５０歳で早期退職が、最大、通常の退職金の２倍となし、その後、１ねんん毎に退職金上乗せが１０％ずつ減り、６０歳で１００％、通常通りになると言うリストラ案を社員に提示した。それを知った樋口秀夫と奥さん貞子さんが、すぐさま早期退職に応募した。
その結果、樋口秀夫が通常退職金２０００万円が、４０００万円、奥さんの通常退職金１６００万円が３２００万円となる事が判明し２００８年１２月のボーナスをもらった後、退職した。この頃、予想に反して、リーマン・ショック直後の２００８年１０月末、日経平均株価はバブル後よりもひどい２６年ぶりの安値水準を記録した。
また、世界的な大不況を受けて、自動車関連などの製造業を中心に非正規雇用者が解雇される「派遣切り」が社会問題化した。１０月、日本人としては史上最多の４人「アメリカ国籍１人含む」がノーベル賞を受賞した。南部陽一郎・益川敏英・小林誠が日本出身者で初となる３人同時によるノーベル物理学賞を受賞し、下村脩がノーベル化学賞を受賞した。
１０月２８日、早朝、樋口兄弟に証券会社の担当者から電話で、リーマンショックのせいか優良株が軒並み値を下げてると言われた。そこで、今朝、キーエンス株が、１３９３０円と安くなっているから買いと言われ４千株ずつ樋口兄弟が成り行き買い注文を出すと５５７２万円で買え残金が１３５１６万円となった。この頃、日本株も暴落し日経平均株価が２６年ぶりに７０００円を割り６９９４円となった。
この頃、みらとみらいの海が見えるマンションで賃貸物件が出始めた。そこで、兄の樋口秀夫がＭＭタワー２２階、３ＬＤＫ、８３平米を月３５万円、弟の樋口昭二が、２ＬＤＫ、７４平米を月２７万円で借りることにし引っ越した。
