第２１話：感染者数急増とウクライナ情勢の悪化

　１月２５日、新型ウイルスの１日あたりの新規感染者数が初めて６万人を超えて過去最多を更新した。１月２７日、２１時頃に埼玉県ふじみ野市の民家で住人の男が、死去した男の母親の弔問に訪れていた在宅クリニックの医療関係者３人を散弾銃などで負傷させ、そのうちの医師の男性１人を人質に民家に立てこもる事件が発生。埼玉県警は、翌日８時頃に民家に突入して住人の男は殺人未遂で緊急逮捕した。

　人質だった医師の男性は心肺停止の状態で保護され病院に搬送されたが死亡が確認された。大阪府は府内で確認された１日あたりの新規感染者数が１００１３人と発表し、初めて１万人を超えた。また、全国で確認された新規感染者数は、初めて８万人を超えて、４日連続で過去最多を更新した。２月１日、大手電力会社１０社全てで電気料金が７８～３５１円上昇の値上げが実施された。

　また、大手ガス会社４社で２０５～２７４円上昇の値上げが実施された。２月２日、国内で確認された１日当たりの新規感染者数は、初めて９万人を超えて過去最多を更新した。本日から東京都は、症状に基づき検査なしで医師が陽性と判断した「疑似症患者『みなし陽性者』」を感染者数に加算を初めて、新規感染者数のうち５８９人が該当した。

　２月３日、日本国内で確認された１日当たりの新規感染者数は１０万人を超えて過去最多を更新した。また、国内の累計感染者数は３００万人を超えた。また、３日時点の重症者数は全国で１０４２人確認されて、４ヶ月ぶりに千人を超えた。日本国内の1日当たりの感染死者数は昨年６月３日以来の８ヶ月ぶりに１００人超の１０１人となった。

　２月６日、大雪の影響で、ＪＲ北海道は９時ごろから札幌駅を発着する列車の運行を全て見合せ、全列車の約６割が運休した。札幌市内では、６日に雪が降り積もり１４時までの２４時間降雪量が１９９９年の統計開始以降過去最多の６０センチに達して同日１３時の最大積雪深が１３３センチと８年ぶりに１メートル超を観測した。

　ＪＲ北海道は、７日も札幌圏の全ての列車を終日運休する異例の対応を決めた。その後、１４日、通常運転が再開して全面復旧した。６～１２日で約３５００本の列車が運休し、５０万人超が影響を被った。２月９日、ウクライナ情勢が緊迫化してヨーロッパでの天然ガス不足を避けるため、日本政府はヨーロッパ向けに液化天然ガス「ＬＮＧ」の一部を融通する方針を固めた。

　欧米から要請を受けていた。２月１１日、外務省は、ウクライナ危機に伴って、ウクライナ全土の危険情報を最大の「レベル4『退避勧告』」に引き上げた。２月１７日、２１時３２分から約２５分間、岸田文雄内閣総理大臣がロシア大統領のウラジーミル・プーチンと日露首脳電話会談を実施した。２月２４日、日本たばこ産業は、ウクライナ中部のクレメンチュークにある製造工場の操業を一時休止した。

　２月２５日、岸田文雄首相は、ロシアのウクライナへの侵攻を厳しく非難し追加の制裁を実施を発表した。資産凍結と査証発給停止によるロシアの個人、団体などへの制裁、ロシアの金融機関を対象とする資産凍結など金融分野での制裁、ロシアの軍事関連団体に対する輸出、国際的な合意に基づく規制リスト品目や半導体など汎用品のロシア向け輸出に関する制裁を挙げた。

　また、ウクライナ在留日本人の安全確保に取り組むためリヴィウに臨時事務所を設けてチャーター便を手配した。同日、駐日ロシア大使のミハイル・ガルージンは、追加制裁を受けて日本に重大な対抗措置を取ると警告した。鈴木俊一財務大臣は、ロシア開発対外経済銀行「ＶＥＢ」、プロムスビャジバンク「ＰＳＢ」、ロシア銀行の３銀行を対象とした資産凍結を行うと発表した。

　住友電気工業は、自動車用ワイヤーハーネスを生産するウクライナ西部の工場について同日稼働を一時停止。２月２６日、日本政府は、ロシアのウクライナ侵攻を「侵略」と認定した。ロシアによるウクライナ侵攻に抗議する集会が渋谷など国内各地で開催された。岸田文雄首相は、ロシアの一部銀行を国際銀行間通信協会「ＳＷＩＦＴ」から排除する制裁に参加すると表明した。

　また、先に表明した円借款１億ＵＳドルに加えて緊急人道支援１億ＵＳドルの実施を明らかにした。３月1日、トヨタ自動車は、国内仕入先で樹脂部品を扱う小島プレス工業でコンピュータ・ウイルスによる攻撃を受けてシステム障害が発生したため、国内全１４工場２８ラインの稼働を停止すると発表。日野自動車の古川工場・羽村工場、ダイハツ工業の京都工場も停止した。翌２日、すべての稼働を再開した。