第12話:100歳以上の老人に年金とタイガーマスク運動

文字数 2,083文字

 そのうち高齢者単身世帯であるとの情報を提供している市町村は、62.1%。民生委員が必要とする情報とされる「要介護度区分、障害度区分」「健康状態」「生活保護状況、経済状況」などの個人情報まで提供している市町村は、全体の3割程度であることがわかった。市町村が提供していない理由としては、複数回答であった。

 まず、「条例で禁止している」65%、「従来から提供していない」35%、「漏洩の恐れがある」30%、「住民の苦情が予想される」20%などとなった。厚生労働省は、これら個人情報の提供に慎重な自治体の問題意識に対応して、事例集の提供や個人情報の管理方法などに関する研修の強化などを行うように通達した。

 その後、2010年8月5日、厚生労働省は後期高齢者医療制度を過去1年間利用したことがない76歳以上の年金受給者を対象に、2010年11月に現況申告書を送付した。それを見ると「所在不明・もしくは本人と連絡が取れない」と回答した者が、577人いたことが判明した。やがて2011年となった。

 2011年1月、 前年のクリスマスから、児童養護施設に匿名で寄付を行う「タイガーマスク運動」が全国に広がった。タイガーマスク運動とは、2010年12月25日、「伊達直人」を名乗る30代のサラリーマンの男性から群馬県中央児童相談所へランドセル10個が送られた。これを皮切りに同じような寄付行為が行われた。2011年正月には、小田原児童相談所にも同人物名義で寄付が行われた。

 それら、全国各地の児童養護施設へ複数存在すると思われる「伊達直人」からの寄付行為が相次いだ。これらの寄付行為は、寄付者の名義である「伊達直人」が、漫画『タイガーマスク』の主人公である。「伊達直人」タイガーマスクが、自らが育った孤児院へ素性を隠して寄付を行う人物と同名であることから、「タイガーマスク運動」と呼ばれた。

 寄贈された物品は、ランドセルが、主だった。しかし、その中には、プラモデル、玩具、筆記用具、現金、商品券、食品、紙おむつ、金塊などがあり寄付を受け取った施設の職員たちは口々に感謝を述べている。2011年1月11日に『あしたのジョー』の主人公、矢吹丈名義で千葉県船橋市の「おんちょう園」に文房具が寄付された。

 それら「伊達直人」以外のフィクションのキャラクターや実在の人物の名を借りた寄付も相次いで行われた。これら匿名による寄付行為の運動は、2011年1月12日までに全国47、全ての都道府県へ広がった。寄付者の中には、70歳代の年長者や小中学生もおり寄贈品の届け先も老人保健施設や警察、大手スーパー、社会福祉協議会、学校などに及んだ。

この行為は、まさに日本人の特徴的な後位ともいえるが、困っている人にとっては、実にありがたいものである。その後、最初に群馬県中央児童相談所に寄付を行った人物は、約3年が経過した2013年10月に毎日新聞の取材に応じた。その時、匿名を条件として生い立ちや寄付の理由を明らかにした。報道によると、この人物は取材時点で40歳の男性で、福岡県出身。自身も両親を失った。

「母は病死、実父とされた男性とは絶縁の境遇で幼少期は親族の間を移り住む生活だった」
「おまえがいるから家庭がぎくしゃくする」と謝る事を強要され「生まれてきてごめんなさい」と答えた。その時に自分の様な境遇の子どもを将来、何とか助けたいと思うようになったという。

 上京して就職した後、足立区の児童養護施設に寄付を始めたが、入所前の「一時保護所」にいる子どもは学校にも行けないと知り、ランドセルを購入して深夜に自宅のある群馬県の児童相談所の玄関前に並べた。男性は運動の広がりについて、「想像もしなかったことで驚いた。後に続いて広げてくれた方々に感謝の気持ちを伝えたいとずっと思っていました」と述べている。

 男性は「寄付」の少しあと、初代タイガーマスク・佐山聡と出会う機会を得て「初代タイガーマスク基金」に2012年から参加した。2016年12月7日の「初代タイガーマスク35周年記念イベント」に初めて実名で参加した。そして、顔も公表した。公表に踏み切った理由については、「タイガーマスク運動」のブームが冷めないようにと言う願いからだった。

 タイガーマスク運動が、以前のような広がりが、続いて欲しいとの想いから、報道などで運動への関心が再び高まることを期待していると述べてい。幼い頃に心を肉親、縁者に傷つけられて事件を起こす人が多い中で、実に、あっぱれな話ではないか!2011年2月、証券会社の担当者からアメリカS&P500に連動するETF「上場投資信託」の資料が送られてきた。

 これを見て、山野経済研究所で、創始していくかどうか検討会を開いた。その席で、山野と山室が、リスクが、低い事、さらにS&P500の成長性、安定性を考えると、今後、我が社の投資の中心として考えてもよいと発言し、購入する事を決めた。その後、2011年3月11日、日本時間14時46分頃、東北地方太平洋沖地震「東日本大震災」が、発生した。
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